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▼ アリんこボックス(大スカ)



壁はすべて透明なマジックミラーで出来ており、20畳ほどの部屋の中には外の景色も音も伝わってこない。だが外には中のことがすべて筒抜けである。
部屋の中には簡単な和式便器とベッドが設置されている。風呂はたまに目隠しで外に連れ出された時に入り、飯は外から供給される。
アリを観察するように綺麗な色の土と餌が入ったボックス、それに似た透明なボックスの中に、俺は全裸で監禁されている。


「……変態やろー…」
快便派の俺が、いつも辛いトイレの時間。
俺のどんな状態も観察されているのは薄々悟ったが、さすがに便器の前後左右、天井、便器の中、斜め右上、斜め左下と八方にカメラが取り付けられると、もう、もう、もう、溜め息しか出ない。
どんな変態が俺をこんなのに閉じこめてるか知らないが、本当にどうかしている。なんの意図で観察しているか知れて吐き気がする。

便器を跨いでしゃがむと、カメラのジーという音が聞こえた。恥ずかしながら、さっきも俺は言ったが快便派で、出さざるを得ない。さもなくば漏らす一択だから仕方がないんだ。
「変態、地獄に落ちろ。」
悪態をついても今まで何かされたことはない。あくまでも監禁した奴は観察が目的なのかもしれない。俺の排泄の。

尻の穴が熱くなって、ぞわぞわとした感覚が爪先から走る。
「あー、くそ、…んっ、出る、出る。見るな、変態、くそがっ、」
悪態をついて息んでも、ブフゥッブリゥッという汚いオナラの音を、8台のカメラに録音されているという現実。ほんと胸糞悪い、こんなところ、そこまでして撮るものかよ?

ミチ、ミチムチ、ブリュブチュゥッ

「ん……」
ミチッミチムチムチと固い一本糞が尻からひり出され、尻の付け根が熱くなる。ブリュムチブフッと尻から長いのがなかなか切れずにぶら下がっている。カメラのジーという音も途切れない。やだやだ、壁の向こうの奴、これでマスかいてんのか?変態野郎。うんこかけてやっから部屋から出せ。
「んん゛っ」
さらに息むとブゥッとオナラが出て、やっと千切れた。便器を見ると長さ太さ共に立派なうんこがあった。
とりあえず俺は便器のカメラに向かって中指立てといた。今ならやめとけって言えるが。


おわり







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