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▼ ネカマ(ヤンデレ)



『秋蘭(あきら)も、涼くんに会いたい…(はぁと)それじゃあ来週日曜日、駅前で待ち合わせね☆涼くんは目印に、花束(笑)を持ってくること!これは冗談だけど♪やくそくだよ?(≧ε≦)』
俺はそうメールを打ち込んでから、携帯を閉じた。暇だったから始めたネカマ(女になりすました書き込み)も、あまりに出会い厨が爆釣りで驚く。悪趣味だが必死に釣り針にくらいつく奴らが面白くて止められない。この涼くん(笑)も朝から晩までメールしてきて、御苦労なこった。残念、野郎です!
俺は最後必ず、引っかかった奴らの顔を拝みに行くことにしている。接触はしないが騙されたと気づいた奴らの反応が傑作。来週日曜日はがっかり顔の不幸な男を嘲笑いに行こう。



俺はカフェのオープンテラスに座って、駅前を眺める。もう少しで時間だ、メールでおびき寄せるか。携帯を開くと、すでに涼くん(はぁと)からメールが届いていた。

『あきら早いね!今からそっち行くよ〜(はぁと)』

ああ、俺を誰かと勘違いしてるのか涼くん(笑)は。涼くんが恥をかくところを見てやろうと、辺りを見回す。すると向こうに花束を持った男が見えた。
ま、じ、か、よ!
俺はこらえきれなくて、思わず吹き出してしまった。花束を目印にとはメールに入れたが、まじかよ本気の馬鹿だ!どつぼにハマって笑いを噛み殺す俺の方向へ、涼くん(爆笑)はやってきた。
うける。誰と勘違いしてんだ、恥かけ!恥!近くにやってきた涼くん(馬鹿)は案外綺麗な顔をしていたので、もう俺はいっそう笑い出したかった。しかし何故か涼くんの足は俺の前で止まった。

「ごめん、晃。待たせた?」

楽しそうに話しかけてくる花束を持った男に、俺は固まった。あきら、秋蘭、晃?知り合いではない、花束持ってる、俺に話しかけてる。俺はどことなく嫌な予感を感じつつ、素知らぬ振りをした。
「は、はい?誰です?僕は」
「ああ、ごめんなさい。涼です。これ、晃に似合うと思って。」
そう言って花束を渡された。卒業式とか以外で初めて、つか俺に花束とか全く似合わないと思うんだが。どういうことかなのか、さっぱり分からない。
「秋蘭…」
「最初は晃の写メをブログで見て、可愛いなぁと思って。で、追っかけてたら、晃が○○でネカマやってるって聞いて、引っかかってみた。」
俺の前の席に腰掛け、メニューを開きつつ涼くん(謎)はさらっと仰られた。要するに
「な、なに、じゃ、あんた秋蘭じゃなしに、俺に会いに来たのかっ!?」
「うん。」
涼くん(ストーカー?)は頷いた。『おはよう!今日もあきらの事考えて頑張るよ(はぁと)』も『あーあきらに会いたい。ちゅーしたいよ(はぁと)』も『本気であきらが好き。』も、もっと言えば『今日のあきらのパンツはどんなの?(*´Д`*)』とか『あきらはひとりえっちとかする?』とか『あきらとえっちしたい(はぁと)』とか下ネタ系まで、俺だと分かってメールしていたのだ。あまりの気持ち悪さに顔が引きつった。



で、なぜか強引に連れて来られたカラオケ。逃げ切れなかった俺の運動神経死ね。カラオケなのに、二人して歌いもしねぇな!そして俺らの距離が異常に近くて超密着されて俺涙目。なにこれ罰ゲーム?
「晃…。」
「ひへっ!」
俺の太ももに涼くんの手が伸びる。涼くんの顔も近づく。
「だ、だから!俺は何度も説明したけど、男は好きじゃないんだって!」
涼くんから距離を取ろうとしても彼に詰められて、どんどん出口から遠く壁に追いつめられる。
「だから!お前まじ訴える!ストーカー!」
「そんな…晃だって、僕のこと好きだって…。」
きつく拒絶すると涼くんが困ったような切ない顔をしてきた。
「違うわ馬鹿!ただの遊びじゃねーか、本気にすんな!」
そう言うとみるみる涼くんの瞳に涙が滲んだ。な、泣いたよオイ…。少しだけ罪悪感が胸をよぎる。
「お、俺も悪かったから、な?帰らせてくれよ…。」
「………じゃあ最後に、キスしてもいい?」
深く俯いた涼くんが、絞り出すようにそう言った。コンパでノリで男とキスしたことあるが、素面はキツい。しかしキスしないと納得しなさそうだ。
「………き、キスまでなら、」
「…うん。…一生の宝物にする。」
宝物と書いて思い出と読んだりします。涼くんはそっと俺の顔をつかんで、ちゅっと
「んぐっ!?」
………ぶちゅっと…。
ソファーに押し倒されて、口中は言うに及ばず、顔中、鼻、耳、眼球まで舐めまわされる。目がゴロゴロする。
「ちょっ!キスまでって!」
「キスだよ。キスしたら諦める。晃の、全身にキスしたら。」
詐欺だ!今更そんなこと言おうにもマウントポジションとられて、力づくで押さえ込まれる。耳の裏側を舐められながら、靴が取られた。
「晃の、足…」
「ままままじ止めろ!気色悪い!」
涼くんは靴下を履いたままの俺の足の裏に、鼻を押し当て匂いを嗅いだ。ガンガンもう片方の足で蹴っても怯まない。歯で靴下を剥ぎ取ると、涼は足の指を一本一本舐めしゃぶり始めた。
「キモい!キスじゃねぇだろ、それ!」
「ひふらひょ。」
片方の足が終わったらもう片方と、蒸れて臭いだろう足を舐めまわされて恥ずかしくなった。ちゅっちゅっと一本ずつしゃぶられて、フェラされているように思ってしまう。一通り足の指も間も舐められ、べとべとになった。
「もういいだろ?俺帰る…」
「まだだめ。」
帰ろうとする俺をストーカー涼くんが引き止める。そして俺のベルトに手をかけた。
「っお前!それはない!」
さすがにそこにキスとは言えない。涼くんはふとベルトから目を離し、見つめてきた。
「だめなら、僕晃のバイト先とかお家に通い詰めちゃう…。いままでは相思相愛だと思ってたから我慢してたんだけど、晃がそう言うなら我慢する必要なんて、ないよね?だって晃に僕のこと好きになってもらいたいんだ。毎日ご飯作りにいくよ、バイト先に遊びにいくよ、授業終わるまで待ってるよ、お掃除もするし、郵便物もとっとく、晃いま一人暮らしだし、いっそ一緒に住みたいな。」
無表情で涼は言った。ストーカーだ、知ってたけど、これは本物のストーカーだ。ビビりすぎて本気で涙目で固まった俺を、涼くんは着々と脱がしにかかる。
「あはは、晃のちんちん、すごく縮こまってる。可愛い。」
当たり前だが、俺のちんこは可哀想なくらい体にひっつくんじゃないかってくらい、小ちゃくなっていた。それを涼くんは指でぴんと遊んだ。
「晃のお尻の穴、晃の、ちゅぱちゅぱ、ちゅる」
「ひっ!駄目だ!それ駄目ってば…!」
腰を抱え込まれ、涼くんの顔がそこにうずめられる。尻の穴、皺の一本一本まで舌先で舐めるように、時たま吸い付いて、涼くんがこじ開けるように尻をいじり始めた。さすがに尻をくれてやる気はない。
「ふざ、けんな!涼!止めろ!○すぞ!」
「え…、晃が、名前、呼んでくれた………。」
怒鳴りつけると、涼くんはもともとぶっ飛んでいた表情を更に崩した。怖い。怖くて逃げ出したいが、涼のホールドはさっきより強くなっている。
「晃、晃…、僕だめだよ…、晃………」
涼がズボンの前を寛げると、ギンギンにいきり立ったそれが出てきた。それを処女穴に押し当てられ、全力で拒絶する。
「っ!!ふざけ、やだ、やだやだやだやだ!誰かっ!」
「…本気で晃が好き。」
メールで見たような言葉を聞きながら、俺は裂けるかと思った。



『晃、今日も可愛いね』
『今日の夕ご飯はカレーにするつもりだよ。早く帰ってきてね(はぁと)』
『お風呂掃除終わったよ〜(*´Д`)』
『お洗濯したいけど、晃の布団いい匂いで干せないっ』
『あれ?今の時間授業ないよね?どうして返事くれないの?(o^∀^o)』
『今日もバイトなんだ、最近忙しいね!』
『おかえり』


おわり
(ネタお借りしました。そしてごめんなさい。)





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