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▼ 黙殺(痴漢)



帰宅ラッシュの車内では動けない。ホームにいる段階からターゲットに近づく。車内に入ってしまえばこちらのもの。後ろからそっと、そのムチムチの太ももを揉む。ターゲットは驚いたような顔をしたが、声は上げなかった。上々。だんだんと太ももの手を上げていくと、ターゲットの目がきつく閉じられた。あと少しで、




「おい、おっさん止めろよ!」
いやらしく女子高生の太ももを撫でていたおっさんを止めた。周囲にも明らかに痴漢だと分かっているのに、なんで誰も近くのやつら助けようとしないんだよ。
「あっ!こら!変態野郎!」
そんな時に都合よく電車は駅に着いて、反応の早かった痴漢は俺の手を振り払い逃げてしまった。…それでもまぁ女子高生はいっぱいお礼を言ってくれたし、よかったのかな。



家はかなり郊外にあって、電車を降りると田園風景が広がっている。ちょうど駅前に止まっていたバスに乗り込んだのは、俺と男が一人だけだった。
いつものことだが客席は全然埋まっておらず、客は自分を含めて4人という寂しさだった。自分で勝手に決めてる指定席、後ろから2列目右側の二人掛けの席、窓側に腰掛けた。周囲に客はだれもいない。
「…」
もとい、いなかった。
なぜか駅前から一緒に乗り込んだ男が俺の真横に腰掛けた。席が埋まってる状態なら何も思わないが、こんなにガラガラの状態で真横に座られると、正直気持ち悪い。
「………」
そうは言ってもいまさら立って席を変わることも出来ないので、携帯をいじって気にしないことにした。
「………」
しかしなぜか俺とその男の間に置かれた男の手が、もぞもぞと動く。くすぐったいので体勢をずらしても、手が追ってくる。
「………!」
さらに男の手が俺の側に来て、太ももをいやらしく撫でさする。ぞわり、と鳥肌が立った。まさか、とは思うが、
「ひ……」
痴漢の、間違えた、男の手はどんどん俺の中心に来て、来るので、太ももをきつく閉めた。だけどもそれをこじ開けようとする痴漢の動きに、痴漢以外の可能性は消え失せた。
「……や……やめろよ…」
痴漢にあったのは初めてだが、想像以上に恥ずかしくて苛々するものだった。それ以上に未知のことで、携帯をいじってるふりをしながら、小声で制した。人間はパニックの時そこまで動けないことが分かった。
制止に男が一瞬手を引いた。それに内心安堵すると
「!!!」
突然男が俺の体を座席に引いて、キスしだした。体を前の座席で見えないようにしたんだと、おもう。
「っ!っ!」
こんなところを人に見られては、そう考えて体が硬直する。衣擦れの音が怖い。声が出せないのをいいことに角度を変えて何度も何度も唇を合わせてくる。
「っ、!」
そのまま痴漢の手がベルトに伸びて、バックルを、必死になってベルトを死守しようとするが衣擦れの音が怖い。ついに下着ごと外されてしまった。
「!」
「は、はぁっ、痴漢されたかったんだろ?電車で本当は痴漢されたかったから、は、あんなことしたんだろう?」
痴漢が俺の口を手で力ずくで抑えながら、耳元で囁く。力が強くて抜け出せない。ぶんぶんと首をふると、
「はっ、あいつの仲間なんだ、っ、実は。」
あいつとは、たぶん俺が止めた、電車の痴漢?そんなの俺が悪いのかよ…!そんなので目つけられたのかよ!極限で、ついに助けを求めようと顔を無理やり座席から上げると、後ろを訝しんで振り向いた一人の乗客と視線がかち合う。た、
助けてくれ!
声に出ずとも訴えかけたら、その人は困ったような顔をして前に向き直ってしまった。まじかよっ、ちょ、ね、運転手に言うだけでも、なんで
「は、は、ふられちゃ、てんの。ほら、指入れる、ほらほら」
「っ!?」
そうこうしてる間に痴漢のローションで濡れ濡れの指がアナルにつぷんと差しこまれた。ぐちゃぐちゃと激しく音を立てて抜き差しされ、涙が出るほど恥ずかしかった。前の人に、なにしてるか、バレる、いやだいやだ誰か、助けてくれよ…!
痴漢の指に感じちゃうなんてこたぁなく、ちんこは縮みかえって、涙目顔真っ赤で、アナルは指を抜かれるとずっとうんこしてるような感覚だった。痴漢はアナルの指を2本に増やし、左右に開いた。
「ふ、ふは、本当は、お前が、一番、いやらしいんだ、スケベなんだろ?いま、ぶち込んでやるからな、はっ、はぁー」
痴漢は俺の広がったそこを見てそう言った。ちょうどその時こちらの席にまで人が来た。
…助けてくれ!だすけて!ヤられる!本当に、ヤられそうなんだって!
「んぅー!んっ!んっ!んんん!」
もはや恥も外聞もなく助けを求めた。俺は泣いてるし、一目見れば強姦されそうなのは見て取れる。でもその人はぎょっとした顔をした後、何でもないような風に前に戻ってった。
なんで、何でだよ…恥ずかしくて恥ずかしくて、この状況が異常すぎて子供みたいにボロボロ泣いた。なんで誰も助けて、くれないんだよ。下品な粘着音が響くたび、ああ、あの人のちんこかアナルの音かって前の人に、思われてるんだと思って泣いた。
「んぐ、」
再び唇を唇で塞がれて、足は胸に着くくらい畳まれる。アナルに押しつけられたちんこを非現実に感じる。
「ぐ!!」
にゅぶ
激痛の中、ゆっくりと挿入されて、アナルに痴漢のちんこが入ってること、その形、熱さ、圧迫感にゲロしそうだった。
「う!ぐ!」
ヌチョヌチョ腰を回すようにされたり、抜けるまでネトーッてされたり、最終的にパンパンって音がするくらい掘られたのに、だれも助けてくれなかった。

おわり







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