「…………………」


カサカサと草を踏む。
少し涼しさを感じる風が顔を撫でた。



私は、気分転換に寮から少し離れた庭園を歩いている。
夜中だし、誰かに出くわす率も低いと思う。
聖川くんを演じることもない。少しだけ気持ちが軽かった。


「………ん、」



あれ……?
もしかして誰かいる?


側にある木に隠れて目を凝らす。

そこにいたのは………



「トキヤ、」


mae | tugi



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