(トリップしちゃった設定)
「あっ!幸村!」
「なまえ殿っ?!!」
縁側を猛ダッシュで駆け抜けていると幸村が歩いてくるのが見えて、そのまま幸村に飛び付いた。
動揺しながらもしっかりと私を受け止めてくれるあたりさすが武士!20世紀を生きる若者にも見習ってもらいたいものだ。
だいたい、戦国時代の人たちの身長は小さいと聞くがこの真田幸村はかなりでかい。学会の発表というのもあてにならないもんだ。
「幸村久しぶりだね!」
「本当ですね。それにしても、なまえ殿が佐和山にいるとは驚きました。」
「三成に何十回もお願いしてやっとこられたんだ〜、……もう三顧の礼どころじゃなかったよ」
「そのようなことが、」
「なまえ――――っ!!!」
「あっ、ヤバッ!!」
「どうかしたのですか?」
「いや、………まあ、あの幸村!」
「……はいっ?」
「私を抱いてッ!!」
「こう、ですか?」
「あ〜、そうそう幸村は背が高いから抱っこはいいわ〜………って違――う!!!!」
「違うんですか!?」
幸村に「抱いて!」と言えば、軽々と抱き上げられた。足が地面につかないのはなんとなく落ち着かない。
「いた!」
「左近殿、お久しぶりです。」
「あ――…、追い付かれた」
「幸村、今すぐそのちんちくりんをこっちに渡してもらえませんかね」
「嫌だ!私は今から幸村に抱かれるんだから!!」
「いや、あの……」
幸村の首にガッチリと腕を回し左近に抗議をする。
わたわたする幸村は可愛い……!!
「その意味を幸村は分かってないでしょ」
「い――や――だ――!!!!」
「…………………あ、あの?」
「左近が抱いてくれないのが悪い!!」
「だから、嫁入り前の娘が言うもんじゃないですよ。」
「左近が嫁にもらってくれれば問題ないし!」
「…………アンタは、」
「私を嫁に貰えバカ左近―――ッ!!!」
「主旨変わってますよ−、」