シャンシャンと心地好い音楽が城下町に響く。
私は団子屋に備え付けてある長椅子に座って、その音楽を楽しんでいる。
通りを挟んだ反対側では、私が仕えているお人、長曽我部元親様が三味線を奏でている。
戦国乱世を終結させ、天下統一もなしたお人。
それなのに、やはりあの人は相も変わらずあの調子。
城にじっとなどしていない。だいたいはこうして城下町で三味線を奏でている。
三味の音に合わせて巫女の阿国さんが舞を披露している。
なんと幸せな光景なんだろう。
私は早口で団子を食べ終えると、元親様の横へ駆けた。
未だ三味線を奏で続ける元親様の横に座る。
「元親様、これからも元親様の魂の音色、凄絶に奏で続けて下さいね」
「……フッ、上等」
凄絶で壮絶な音色