「なまえ」


「左近先生?」


「お前な、反省文は自分で出しなさいよ」

「あ、宗茂ちゃんと出してくれたんだ……った!!」

「掘り下げなきゃいけないのはそこじゃないでしょうが、」



「ねえ、左近先生」

「なんですか?」


「今日が楽しくても明日が早く来てほしいってなんで思うのかな?」

「それは、明日に期待を持ててる証拠じゃないのか?」


「期待かあ−…、」



渡り廊下の大きな窓から見える校庭に目をやると、袴を着た清正が見えた。


「なまえは今が楽しいのか?」

「楽しいんだと思う。でもさあ、こんな風に手放しで今を楽しめるのって今だけなのかなって考えたらなんか寂しくなっちゃってさ」

「高校生なりの悩みだな」


「そうなのかな−…?」

「そうだな。」


「解決方法は?」

「ないな。」


「なにそれぇ−!」

「まっ、今を手放しで楽しんどきなさいってことだよ。」


左近先生は私の頭を何回か叩いてから職員室の方へ行ってしまった。



「このイケメンめ」


左近先生が見えなくなってからボソッと呟いた言葉は、渡り廊下に消えていった。



to be continued・・・



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -