「よーし!溟よくまとまってる。合格ってところだな」
「ありがとうございます!」
「お前は文章まとめんの上手いよなー・・俺の分もやってほしいくらいだ」
「それは・・いくら朔ちゃんでも」
「まあなーいっきなりレポートの構成しっかりし出したらそれこそ怪しまれるもんなー」
ぐうーっと椅子の背もたれに体重をかけながら朔は面倒くさそうに言った。
≪ウサ、ウサ≫
「ん?どうした兎」
すると、一匹の兎が朔の元にひょこひょこと寄って来た。
≪平門が来たウサ≫
「お!そうかここまで通してくれ」
≪了解ウサ!任せるウサ!≫
兎は朔に返事を返すと通信を始めた。
「平門・・って、貳號艇の」
「そう。溟もついでに会ってけ」
「あ、はい!」
朔の提案に少し緊張したが、これから仕事を共にしていく仲間であり、朔と同じく上司でもある平門に直接会えることに溟は胸が高鳴った。
≪連れて来たウサー≫
「おう!サンキューな兎」
≪ウサ!≫
「相変わらずだな朔」
「そっちもなー」
軽く挨拶を交わす2人を溟は邪魔にならないように見ていた。
「ああそうだ!紹介する・・溟だ」
「よ!よろしくお願いします!!」
いきなり平門に自分のことを紹介され、溟はビクリと肩を震わせた後、平門にお辞儀をした。
「君がね。以後、よろしく頼みますよ。」
「はい!」
平門の言葉に溟は強く頷いた。
「それから、」
「はい」
「與儀が君に会いたがっているんだ。」
「!與儀くんがですか!?」
「ああ。時間がある時にでも会ってやってくれ」
「はい!」
溟は目を輝かせながら平門に返事を返した。
「で、お前は何しに来たの平門」
「ああ。以前から調査をしていた組織があっただろう。」
「あー・・アレな」
「ソコのターゲット1人を捕まえろ。と上が言ってきてな」
「それで?」
「捕獲は壱組に任せろとの命令だ。」
「やっぱりなー」
平門の言葉に朔はやれやれと言って肩をすぼめた。
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