「朔ちゃんなんですか?」

壱組に溟が配属されてからしばらくが経ったある日、内容は言えないが部屋に来い。と朔に呼ばれ溟は朔の部屋の扉を開けた。


「・・へ」

部屋に入った溟は一瞬固まってしまった。

「お!来たな溟!こっち来い」


「え!?あの朔ちゃん・・え!!?」

溟の目の前には見たことのない人物が立っている。

「コイツは喰だ。新しく壱組に配属されたんだ」
「ええ!?」

「どうも。」

「ど、どうも・・!」

「溟もこれで先輩だぞー」

ニヤニヤと笑う朔に、溟はなんとも言えない表情を返した。

「君が先輩、ねえ」
「へ!?あ、喰くん・・だね。よろしくお願いします!」

少しばかりきょどりながらもペコリと溟は喰という青年に頭を下げた。

「先輩に見えないね」

「・・え」

喰のまさかの発言に溟の顔の筋肉がピクリと動いた。

「それじゃ、これから宜しく溟ちゃん」
「ちゃん!!?」

「あはは!いいじゃねーか溟」
「いやいや!先輩には敬意をはらってもらわないと!」
「と、言われてもなー」

ぷりぷりと怒る溟に対して喰は涼しい表情を浮かべた。

「でも、ホラ・・背も小さいし見た目的にも先輩に見えないんだよね」
「ちょっと!!身長は普通だから!女の子が最終的に男の子に抜かされるのって普通の現象!!」

怒りながらも喰に対してちゃんとツッコミを返す溟を見て朔は楽しそうに笑っていた。

「まーまー、あんま溟をいじめてやるな喰」

「いじめてなんてないですよ?ただからかってるだけです」
「それって何も変わらないじゃない」

「じゃあ、」

「ん?」

「溟ちゃんが先輩ってトコロ見せてよ。」
「・・は?」

喰の発言に溟は首を傾げた。


「だから、闘ってみせてよってこと」
「・・え」


mae | tugi



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