「今日からよろしくお願いします」

壱號艇の一室。
朔の自室でふかぶかと頭を下げる者がいる。

「おう!これからよろしくなー溟」

ニッと笑う朔につられ、溟と呼ばれた少女は嬉しそうに微笑み返した。






○●○

「それにしても、対ヴァルガ用特訓システムで吹っ飛ばされてた溟がまさか壱組に配属されるとは誰も思ってなかっただろーな」
「もー!それはいいじゃないですか!誰だって最初は吹き飛ばされますよ!」

壱號艇の中を朔と歩きながら茶化された溟は頬を膨らませた。

「朔さんだってそうだったんじゃないんですか?」

「どーだったかなー・・ずいぶん昔のことだし、俺優秀だったから?」
「はあ・・、なんかムカつきます」
「ハハ!ホントのことだ!そうブーたれんな」

そう言って笑うと、朔は溟の頭を強引に撫でた。

「ちょっと・・!!朔さんッ」

「ところで、その朔さんってのやめね?」
「・・はい?」

朔の発言に溟は首を傾げた。


「もっと軽くさ!朔ちゃんってのがいいな!うん」

「はい・・?上司に向かって朔ちゃん・・ですか?」
「ほら、お前女子だし、ソッチの方が嬉しい!」
「・・そうですか?」

朔に向かい溟は首を傾げた。


「そっ!」

「じゃあ・・朔ちゃん、で?」

苦笑いで朔の名前を呼ぶと、朔は満足そうに歯を見せて笑い、また溟の頭を撫でた。



「そうだ!」
「はい?」

「さっそくなんだが・・2人でとある任務に行くことになってな」
「任務ですか!?」
「行くだろう?」
「はい!」

朔の言葉に大きく頷く溟。

そんな溟を見て朔も満足そうに頷いた。


「それじゃあ準備に取り掛かるぞ!」


「はい!!」


mae | tugi



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