「もうすぐ目的地のディーパレス地区上空ですよ、朔ちゃん」
「おう!早く无を研案塔に連れてってやんないとな?キイチ すいぶん心配してたもんな?」
「!キイチは无さんを心配なんてしていませんよ!? 全くどうしようもないって頭が痛かっただけです!! 貳組はいつもヘマばっかりしていつもキイチ達壱組がフォローするハメになってるんですから・・・」
「んー♪そうかそうか」
「なんなんです!? オッサンくさいですよ朔ちゃん!!」
「お前… オッサンはないだろ・・・」

壱組のキイチ、朔も无を助ける為に動き出していた。


「で、虧は大丈夫なの?珍しく燭ちゃんに反抗して来ちゃったんだろ?」

「大丈夫。反抗っても、許可は取ってあるし。」
「そっか、でも燭ちゃんの言うように無理はするなよ。お前もついさっきまでぶっ倒れてたんだから」
「そうですよ〜?倒れられたら困るのは、キイチ達ですから」
「大丈夫!そんなことはないようにするから!」

艇の中でストレッチをしながら虧は笑ってみせた。
今は、さっきの頭痛が嘘のようになくなっている。
それだけ、无くんや嘉禄さんが落ち着いたのか・・?と思ったが、目覚める寸前に見た无が鋭い角に貫かれる映像・・・それを思い出すだけで不安な気持ちが心の中をいっぱいにした。

≪目的地上空です。出撃準備を。≫


「よし!じゃあ―――

 貳組の奴等拾って、旨いメシ食わせてやるか?」

いつもの調子で歩き出す朔に、キイチ、虧と続いた。




「(ん?あれは・・)」


「お疲れ様!」

虧達が空から降りて行くと、真っ先に手を振ったのは與儀だった。
空からでも容易に発見できる金髪を見つめながら虧は手を振り返した。


「无さんはどこですか?」

「よっ、お疲れさん」
「早く「ネムネル」に詰めて下さい!无さん運びますよ!」

「虧ちゃん!!」

「與儀?」

「心配したんだよ!頭痛いの大丈夫??」
「うん、大丈夫。それより、與儀もお疲れ様」
「俺は全然平気!ホントに?ホントに痛いの大丈夫?」
「大丈夫」
「ホントに「大丈夫っつってんの!!」
「アダッ!!」

自分の事を心配してくれるのはありがたいが、こうまでしつこいとさすがに面倒くさいので、虧は與儀の頭をぶん殴ってやった。


「虧〜〜」

「あ?朔さん何?」


「お前はこれ終わったら貳組に戻れって、平門が心配してたぞ」
「うっそ!!ないないあり得ない!」
「有り得なくないって、一応上司なんだしな?」
「一応!ね!」

「ええーー!虧ちゃん貳組に帰っちゃうの!?俺達は壱組に行くんだよね?」

「ああそうだ。虧は貳組でゆっくり休んで、この後に備えとけ」

「分かりました。无くんのことも心配だけど・・了解です」

「よし!良い子だ!またすぐ会うしな」

「そうなんだ・・」

休んだ後はまたすぐ仕事か〜とため息をつきながら、虧は與儀達よりも先に貳組に戻ることにした。



23:心配





mae | tugi



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