「あっかりせんせ〜〜〜い!お元気ですか?!」
「……………」
消毒の匂い。
忙しなく廊下を交差するナース達。
ここは研案塔。
「燭先生!お久しぶりです!」
「そうか?つい何日か前にもここに来なかったか?」
「来てませんよ!私、ここ2週間ずっと膩號挺の中でメンテナンスしてたんですから〜!」
「そうか。」
燭のいる診察室で、椅子に座りただ燭と話をする虧。
久しぶりの休暇をここで過ごすのには訳があった。
「腕はどうだ?」
「うん。特には変な感じしない」
「見せてみろ」
「お願いします。」
燭に言われ、虧は左腕を燭に見せる。
「問題はないようだな。」
「あの…… 燭先生、」
「なんだ?」
「……やっぱり、なんでもない」
「そうか。」
虧は、自身の腕をしまいながら少しだけ顔を伏せた。
「お前はなにも気にすることはない。」
「うん。やっぱり燭先生は優しいな〜!平門さんとは大違い」
「アイツと比べられても困る。やめろ」
「だよね〜やめます」
先程とはうって変わって、虧は顔に笑顔を浮かべた。
「それよりも、来たついでた。他の検診もしていくといい」
「あっ!じゃあお願いします!」
「行くぞ」
「は〜い!」
與儀なら泣き出しそうな展開だが、虧は幸せオーラを出しながら燭のあとをついていった。
03:診察
mae | tugi