「虧さん!」
「アレ!?キイチちゃん!」
虧が喰を追って飛んでいると、キイチが合流した。
「私も近くで任務があったんですぅ〜、なのでついでに来てみました」
「そっか!頼りにしてます!」
「虧さんだって本気でやってくださいよぉ」
「もちろんです!」
キイチに笑顔を向け、虧は現場に急いだ。
「どこだ・・?」
「ああ〜アソコじゃないですかぁ?」
キイチが指差す先には、すでに能力態と戦っている喰と與儀の姿が見えた。
「與儀さんも来ていたんですねぇ〜」
「それだけ面倒な相手なの?」
「どうなんですかねぇ、ともあれ・・行きますよ!!」
「うん!!」
滑空しつつ自身の武器を手にする。
「行け!子供達の遊々≪ピッピロンド≫!!」
虧の声に反応しモンキーレンチは姿を変え、メカの羊に変わった。
「虧ちゃん!」
「やっと来たね」
「ごめんね〜喰様〜」
「で、これをどうするんですぅ?」
虧に続いてキイチも地面に足をつけた。
「それがね、なかなか倒れてくれなくて」
喰は面倒くさそうにため息をついた。
目の前にいる能力態は、蠢く黒い花の様な姿をしている。
喰が言うには、もう能力態というよりはヴァルガに近い存在らしい。
「じゃあ・・」
「人と融合してる・・。」
小さくもらした虧の言葉に與儀が返した。
「與儀、」
「・・・ん?」
悲しげな表情でヴァルガを見つめる與儀に虧は声をかけた。
「今ここにはキイチちゃんがいる!頑張ろう!」
「そうですよぅ、どうなるかは分かりませんがぁ〜やるだけのことはやりますよ!」
「・・うん!」
與儀が力強く頷くのを見て虧は地を蹴った。
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