无、花礫共に壱號艇に入った虧。
壱組に上がって早々、无と花礫はまるでお掃除係のように壱號艇の中を掃除させられている。

それから時間が経って、あっという間に夕食の時間となった。

「何やってたの?お前ら」
「あー朔さん、なんか色々大変で」
「気にしないで下さい」

「お前らだけいつも通りだな 喰、虧」

結局、掃除仕事を見事こなしてしまった无と花礫。
2人の態度を見て不服そうに頬を膨らませるキイチと、掃除をしまっくていたためにホコリまみれになった无と花礫を見て朔は驚いていた。

「久し振りだな2人共」

无と花礫に朔が声をかける。
朔の話によると、行方不明だったツクモが見つかり、花礫の家族の1人ツバメも元気にしているという。それを聞いた无は嬉しそうにしていたが、花礫は少しばかり気落ちしているようだった。

「そういえば、アンタ達どうやって空飛んでんの?」

その花礫の唐突過ぎる発言に、何故か朔は楽しそうな表情を浮かべ、身を乗り出した。

「お?気になるか少年!じゃあ明日一緒に調査場行こうぜ!!」
「ハア!?」

「なに脈略なく一般人誘ってんスか!!遊びに行くんじゃないんですよ仕事!!」
「脈略あるだろー、俺達の力の源 輪ブレスの縁の地だぜっ」
「異変があったから行くんでしょーがっ異変は危険!!」
「俺達4人が付いてて何が危険なもんか♪な〜あキイチ?虧?」

「あたり前ですぅっ!貳組のドヘマ隊とキイチは違いますうっ」
「喰がこんなことで反論するなんて珍しいね?自分に自信なくなった?私が壱組入るから、喰は貳組行けば?」


「キイチッ!虧ッ!」

「まあ〜まあさっ!とりあえず!食え食え!!明日は遠足だぜ!!」
「遠足っつったな!遊ぶ気満々じゃねえかこのヤロウ 酒まくな!!」
「喰君〜言葉が乱れていますよう?」


結局、朔の勢いにのせられた面々は、大量の肉やその他食品を食べることとなった。



●○●

食事も終わり、しばらくして、花礫は1人虧の部屋の前に来ていた。


コンッ・・と極めて静かに扉をたたく。

「はいは〜い!…て、珍しい訪問者さんだね」

部屋の扉を開けた虧は、まさか花礫がドアをノックしたとは思っていなかったため、間抜けな顔で彼を出迎えることとなってしまった。


「あーーー…っと、入る?」

虧が花礫に聞くと、花礫は頷いて虧の部屋に入った。


mae | tugi



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -