「无くーーん!」

「うん!」

與儀の呼びかけに嬉しそうに无は返事を返す。
それを見守るツクモの姿が可愛らしい。

「で、花礫くんも御苦労さま」
「ああ、てか・・アイツ等元気すぎじゃねーの」


あくびをしながら答える花礫に虧も同感だと答えた。

「だいたい、今何時?」
「えっと・・朝の8時」
「なんでこんな時間から外出なきゃなんねーんだよアホか」
「まあ、その気持ちは分かるけど、仕方ないよ」

そう言いながら虧は與儀と、彼と楽しそうに駆けまわる无を見つめた。


「これから町で調査になるし、そうなったら花礫くんと无くんとは遊べない。せっかく外にみんなで泊まった後だから與儀は思い出に楽しみたいんじゃない?」
「ハア?」

大人の中に純真な子どもが住んでいるような與儀だからこその提案だな・・。と虧は迷惑なような、そうでないような複雑な気持ちになった。


「虧ちゃーーん!花礫くんっ!」


「あらら〜お呼びがかかりましたよ花礫くん」
「はあー・・」

満面の笑みで2人に向かって手を振る與儀を見て、2人は小さくため息をもらした。


「虧、ごめんなさい」
「ツクモちゃんは謝らないでよ。なんとなく予想してた」

ペコっと可愛らしく頭を下げたツクモに、虧は笑顔を返した。


「さ!何するの與儀!」

「「かくれんぼっ!」」

「またかよ」

「いいじゃん花礫くん!楽しもうよ!!」
「やろう花礫!!」

花礫の腕を必死に引っ張りながら无が彼を輪の中に入れた。
その様子を見ている與儀も嬉しそうに笑っている。


「ほんっと、與儀ってかくれんぼ好きだよね〜」
「だって楽しいよ!ね、无ちゃん」
「うん!」

「よっし!じゃあ私が鬼になるよ!」

「虧、私が鬼でいいのよ?」
「いーのいーの!私にやらせて!一瞬で見つけ出してやる!!」

「无ちゃん、虧ちゃんは強いから気をつけてね!」
「うん!!」

「ったく、」

虧の合図で、みんなが一斉に駆けだした。



弟と早朝の公園





mae | tugi



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