「もしもの話だ!」

「「ハ?」」

呑みの席。
イヴァは仕事の都合上欠席しているが、平門、朔、虧はグラスにお酒を注ぎつつ話をしていた。そんな中、朔の急な話題転換に平門と虧は同じ返事を返した。


「もしな〜、虧が燭ちゃんじゃなくて平門か俺に拾われてたらどうなってたのかな〜って」
「ないない」
「ソコ即答なの?」

苦笑いを浮かべながら虧の頭をグリグリ撫でる朔のことを、虧は鬱陶しそうに振り切った。

「ぼさぼさになる!髪の毛・・!」
「いいだろもう夜だし〜この後誰に会うわけでもねーのに」
「それでも自分が気になるんです!」
「そういうもんか」
「もんです!」

「で、さっきの話題はどうした」

「ああ、そうそう!どうなってたのかな〜って思って。燭ちゃんだから懐いてんの?」
「燭先生だからこそ信頼して、護りたい!って思えると思いますけど」
「そうか〜」

「朔に助けられていたとしても、朔に懐いていそうですけどね。」
「ええー?」

平門の発言に、虧は首を傾げた。

「手とか繋いで歩いてそうじゃないですか」
「そうか?」
「朔に助けられて懐いた場合は、かなりアホっぽい空気が溢れそうだけどな」
「アホ!?」
「なんか棘がありません、平門さん」

だが、なんとなく平門の言っている風景は容易に想像できた。
朔はよく虧との関係は兄妹に似ていると言っているが、それに拍車がかかりそうな感じだ。

「平門と虧ってなった場合は・・」
「へー?」
「平門が・・プッ!」
「何故笑っている」

「いや・・な、フリフリのドレスとか買ってあげてそうだなってフッ!!」
「え、なにそれ怖い」
「でも・・・想像できねえ?」
「ああ、・・できる、かも?」

アルコールのせいか、些細なことで笑いが止まらない朔に続き、虧も何かを想像しニヤついた。

「2人してなにを考えている」

「いや、・・貢いでそうだな〜ってな」
「工具なら欲しいですけど、フリフリドレスはいらないですよ平門さん」

「買いませんよ。」

「いや買えよむしろ!1人でショップ言ってさハハ」
「・・・・」

「あ、ヤバイ!」

「あ?」
「朔さん平門さんが口開かなくなっちゃいましたよ!!」
「え、まじ?」

急に黙った平門を見ると、不意にとてつもなく爽やかでイイ笑顔を見せたので、朔と虧の背筋は凍り、2人して互いにしがみ付き合い震えた。

この後平門からの仕返しが2人を待っているわけである・・!!!



48:冗談





mae | tugi



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