「ああーー・・もう!」


「虧…ちゃん」
「虧ちゃん大丈夫かな?」
「大丈夫だよ!心配することないよ!无ちゃん!」

「はあーーー!」

「「・・・ッ!!」」

ここは貳號艇の多目的室。
そこには與儀、无、虧の3人がいる。

そして、何故か虧の放つオーラはどす黒く、イライラを体いっぱいで表しているようだ・・。


「あ・・のぉ〜、虧ちゃん?」

「なに」

「ヒッ!! な、なななななんでもないよ!」

「あっそ、」


虧に声をかけるも、逆に睨まれた與儀はその大きな体をぎゅっと縮めた。
そんな與儀を、无がよしよしと撫でている。

「虧ちゃん」
「ああ!无ちゃんッ!!」

「なに?无くん」

「喰くんなら、すぐ帰ってくるよ・・?」

无の発言に、虧はピシッと固まり、與儀は「へ?」と口を開けた。


「大丈夫だよ、喰くん帰ってくるよ」
「无、くん・・・」

純真無垢な瞳で虧を見る无に、虧がそっと手を伸ばそうとした時だった。


「まったく、无には敵わないようだな虧」

「平門さんっ!」

「平門さん!」
「平門さん!?」

クスクスと笑いながら平門が部屋に入って来た。

「虧、お前最近毎日喰がいたからこそ、毎日ストレスを溜めずにいられたのではないか?」
「ハア!?」
「平門さん、どうゆーことですか?」
「ああ、喰と言い合っているが、それがストレス発散になっていた。だからこそ、今回のように喰が長く貳組を空けると溜まった鬱憤をぶつける相手がいない・・違うか?」

「な、・・そんな、ワケ・・・・!」

平門の発言に反抗しようとした虧だったが、あながち間違いではないような気がして押し黙った。

「最近、仕事の成果も上がっていないようだしな」
「なッ!!!」

「はあ・・。結局、虧ちゃんと喰くんは仲良しなんだね!」

パアッと笑う與儀に向かい、虧は拳を振りおろした。



彼がいなくては苛立ちも隠せない





mae | tugi



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