私は平門が嫌いだ。


「なんです?私の顔に何かついてますか?」
「・・ついてません。」
「なら、あまり見つめないで下さい。」
「・・・・・」
「もしかして、私の顔が好みで「あり得ません!」
「最後まで言わせなさい。」

目の前にいる男。
コイツこそが平門だ。

ついこの間、私の身体能力を計るために植物に襲われていたのを観察していた野郎だ!


「・・で、なんでまた平門と一緒なの」

「それは、燭さんからの申し出ですから。」

「燭先生酷いよ・・!私、平門嫌いって言ってるのに・・・!」

「ずいぶんと物をハッキリ言いますね。」
「そうですか?」
「ええ。まあ、嫌いじゃないですけどね。そういう態度は」
「・・」

しばらく燭先生が研案塔を離れるというので、平門の監視下の元にいるのだが・・、やっぱり嫌なモノは嫌だ・・・。

「朔さんの方が良かった」

「そんなに変わりはないでしょう?」
「あります!!」

「朔さんの方が優しいし、気前良いし!優しいし!!」

「優しいが2回ありましたね?」
「それだけ優しいんです!平門と違って!」

「しかも、朔には敬称付きですか・・」

「まあ」


「私のことは”さん”付きで呼ばないのですか?」
「平門は酷いヤツだから別に・・、例えば、上司とかだったら」

呼んでもいいでけど?



そう言ったのが間違いだった・・。

平門はこの言葉を覚えていたのだ。




「で、お前は虧取るわけ?」

「ええ、面白い反応が返ってきそうですし、」

なにより・・・


「敬称付きで呼ばせてみたいですから、ね」

「・・?なんだそりゃ、」


朔は首を傾げたが、平門に貳號艇に来るように言われた虧の真っ青になった顔は今でも笑えるほどブサイクだったとか・・。


「さあ、呼びなさい、平門さん と」

「いっ・・いぎゃあああああだああああああ!!!!!」



39:敬称





mae | tugi



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