「ふああ〜〜〜、早く寝よ・・」

貳號艇の廊下を何回もあくびをしながら虧は歩いている。
すると、フと気になる部屋を見つけた。


「・・あそこって、无くんの部屋?」

真夜中をとっくに過ぎた時間。
无なら本来寝ている時間のはずだが、无の部屋からは灯りが漏れている。

「无くん?」


不思議に思い、虧は无の部屋をそっと覗いた。



「!虧ちゃん!!」

「どうしたどうした??寝れないの?」

虧がいることに気付いた无は、物凄い勢いで虧に抱きついた。


「今日、羊さんが一緒に寝れない・・って」

「そっか・・。」

花礫がスクールに行ってしまった今、いつも一緒にいた人が部屋にいないのは寂しいのだろう。无は最近羊と共に寝ることが多くなった。
しかし、その羊達も今日は忙しかったようだ。


「しばらく居てあげようか?」
「いいの!?」
「いいよ、」

虧が返事を返すと、无は嬉しそうにベッドへ潜り直した。


「何か本でも読む?」

「うう〜んと・・・」


「ん?」

「手、握って欲しい」
「分かった。」

やっぱり、一肌が恋しいのは一番辛い。
自分にもそんな時期があったな・・。と懐かしみつつ、虧は无の手を握った。


「おやすみ、无くん」

「おやすみなさい、虧ちゃん」


それからしばらく无が寝付く様子を見守っていた虧だったが、无があまりにも気持ち良さそうに眠るので、つられてその場で眠ってしまった。


≪メェ?虧メェ・・?≫

その後、タイミング良く現れた羊に、虧は上手に无のベッドの中へ運ばれた。


≪コレでいいメェ、おやすみメェ≫

羊がそっとまだ点いたままだった電気を消した。



同じ枕に身を寄せ合うこと





mae | tugi



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