「燭先生!」
「燭さん」
「・・・・・」
研案塔の一室、燭の待機する部屋。
そこへ虧と平門が同時に雪崩れてくれば、燭の眉間にシワが増えた。
「また無茶をなさったんでか?」
「燭先生!なんで頼ってくれなかったの!?」
「お前等の助けは必要ない場面だったからだ。」
「酷い・・燭先生白状!」
「そうですよ、私たちの仲ではないですか」
「・・・・・・。」
泣き真似をする虧と、虧の隣りでため息を漏らす平門。
燭の眉間のシワはさらに増えた。
「ただの調査だったろう」
「でも!」
「ダメですよ。」
「「燭先生の事は護らせて下さい」」
同時に大声を張り上げた平門と虧。
「あのなあ、」
「平門さん、そこは私に譲って下さい!」
「無理です。」
爽やか笑顔で返す平門に今度は虧の額に青筋が走った。
「なんでですかッ!」
「そこそこの力の虧と私とでは力の差がありありでしょう」
「そんなの分からないじゃないですか!!」
「さあ、それはどうですかね?」
「よおし分かった!平門さん、手合わせしましょう!」
「ほう。・・それは楽しそうですね」
「――――ッ!!!!!!
いい加減にしたまえッ!!!!ここは研案塔だ!!!!!!!」
「ヒイ燭先生が怒ったぁ!!」
「・・。」
燭のあまりのキレ様に虧は驚き平門の腰に抱きついた。
そして、そのまま2人は研案塔から押し出されたのだった・・。
「平門さんがあんなだから・・」
「私だけのせいではないでしょう?」
2人はまだ会話を続けながら空を飛んだ。
奪い合い分かち合う二人
mae | tugi