「コレは?」
「う〜〜ん…」
鏡の前でクルクル回りながら虧は首をかしげた。
「似合ってるわよ、虧」
「ツクモちゃん、ありがとう・・でもなんか、変?」
「そうねぇ〜じゃあこっちは?」
まだまだ衣装は山ほどある!
これぞ国家の財力!といった所か… 虧は若干怖くなった。
「あっれ〜?みなさん何やって」
バキイイイ!!!!!!
「!!喰君!」
「なあ〜に喰様?前にもこんなことがあった気がするのだけど?」
「前もあったのかクソッタレ眼鏡」
「いやいやいや・・それより床にめり込んでるんだけど僕、」
抜いてくれない と頭を埋めながら言う喰を、やれやれと抜いてやった虧だったが、これよりまたドレスの支度をしなければならないとなると更に頭が痛くなった。
「もお〜じゃあコレ?」
「レモンカラーも似合うかも」
ツクモにもドレスを手渡され、虧は再び着替えを始めた。
「ドレスなんて、ホントに久し振り過ぎて… どれが似合ってるのか分からないんだけど…」
「何か希望の色とかないの?」
イヴァの問いかけに虧は考えた。
「好きな色ってことか・・、」
フと脳裏にピンク色の髪の毛が浮かんだ…。
「ピンク?」
「プッ・・!虧がピンクって・・」
「ちょっ!!笑ったわね!?」
まさか虧がピンクを指定してくるとは思っていなかったのか、未だに部屋の隅に座っている喰は肩を震わせて笑っている。
「喰・・・・?」
「あっ、あれ・・?イヴァさ………」
ドゴオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!
と、凄まじい音と煙を巻き上げながら喰は部屋の外に飛び出していった。
というか、イヴァに投げ飛ばされていた。
「・・・喰君・・」
そんな喰を、ツクモはなんとも言えない表情で見ていた。
mae | tugi