「準備はいいか?」
「ハイ!!」
「はいよ〜!」
「よーしじゃあ、アイディスの収容所経由でイソサをヴィントまで送るんだ。任せたぞ!」
≪メェ≫
≪ウサ!!≫
「虧もいるし、心配はないと思うがな!」
「まあね!じゃあ、また後で朔さん」
「おう!」
「任務遂行!」
≪メェ!≫
≪ウサ!≫
●○●
≪荷物が多いメェ、アルディス収容所に届けるメェ?≫
「あ、ハイ!あの・・実は私のとてもお世話になった方が… 誤って罪を犯してしまって… でも」
イソサの話を聞きながら、それはムラノのことか。と虧は心の中でだけ呟いた。
「それにしても、荷物多いし持つよ?」
「えっ!?ああ、ありがとうございますッ!!」
イソサから手荷物を半分受け取り、虧は先を歩いた。
「自分の世話する動物を心から可愛がって、いつも一生懸命な人なんです。だから私、少しでも何かしたくて… あまり多くは来れないんですけど、着替えとか食べ物とか仕事の報告などをしに時々ここに来るんです!」
イソサは、虧の後ろを歩きながら、嬉しそうに羊に向かってムラノの話をしている。
虧は歩きつつ、後ろから付いてくるイソサにも気を配っていた。
「―――ん?」
≪!!≫
虧と羊、兎が反応するのは同時だった――――!!
「能力体!」
≪能力体メェ!!≫
「きゃあああああ・・!!」
突如目の前に現れた能力体に、イソサはしゃがみこんでしまった。
≪ウサーーーー!!!≫
虧と羊、兎は瞬時に臨戦態勢に入った。
「大丈夫!? イソサさん!!」
「・・ッ!」
≪イソサは仕事で能力体と関った事があるメェ?だから能力体を引き寄せる臭いが残ってるかもしれないメェ、じっとしてるメェ!≫
「・・・!!」
≪緊急事態発生 戦闘制限システム 解除メェ ウサ!!≫
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