「なッ!!」
平門に真っ先に捕まえられたのは虧だった。
「おとなしく」
「ッ〜〜!!!」
耳元でフッと囁かれて背筋が凍ったが、平門のやらんとすることが分かっていたので、大人しくそのまま捕まった。
「ツクモ」
「!!」
次に狙われたのは花礫だ。
「金髪が子供2人を連れて逃げようとしているぞ、行け」
「はい」
そこでようやく與儀は无と八莉を抱えてその場を離脱することができた。
ツクモもこれから與儀についていくし、大丈夫か。と虧は縄で縛られながら呑気に考えていた。
●○●
「テメーどっからつけて来たんだよ」
「アイスクリーム屋でお前等がリッスンに尻尾振ってんの見つけてからだよ。…ていうか話かけんじゃねえ!クソガキ!」
「ドス利かせた声でアイスクリームとか言ってんじゃねーよ!! バァーーーーカ!!」
「はあ・・やめなよ花礫くん。疲れるだけでしょ〜」
「まったくだ。何をやってるんだ花礫、しょうがないな…」
「てめえっクソメガネ!! なんで俺までしばられてんだよ!!」
「虧も縛られているぞ」
「私に話ふらないでくれる?」
「ま、いいじゃないか。演技上だ。」
「外せよ!!」
「終わったらな ――で、」
そこで平門はリッスンに目を向けた。
リッスンに対して質問攻めをする光景はなんだか笑えた。
「子供達が心を痛めているそうだぞ?輪の子供達も危険に晒してくれたしな。迎えに来る治安部の元でお前も少し泣くといい。」
「平門様!」
「ああホラ・・・来たぞ」
そして、結局リッスンは治安部によって連行された。
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