「あ!リッスンじゃないか!さっきは助かったぞ!!」


「・・ん?」
「なあ、アイツここにもいんの?」
「いや、そんなはずじゃ」

與儀の友達談義を聞きながら歩いていた一行の目の前に、またリッスンが現れた。
どういう事なのか、虧は首をかしげた。


「動くなァ!!動くなよう!?」

やはり予感的中ということか…、リッスンは元々の可愛らしいマスコットキャラではなく、中の人間が変わっていた。
それだけではなく、八莉を腕に掴み、无に銃を向けた。


―――ズダンッ!!!

重たい音が郊外に響いた。

「何してんの?君・・その姿で最低だよ。」

「大丈夫?」
「うん」「ああ、」

しかしその銃から放たれた球は誰に命中することはなかった。


すんでの所で、與儀がリッスンを抑え込み、虧が无と八莉の首根っこを掴んで自分の方へ抱き寄せたからだ。
そして、花礫が転がった銃を拾い上げた。


「こっちだ!八莉様!!!」


「は・・?」

と、まあなんとも悪いタイミングで八莉を護る立場の人たちが現れた。

彼らには、そこにいた人物構成がこう見えたらしい。

花礫:発砲したであろう銃を持った黒髪少年
與儀:イメージキャラクターをいたぶる派手な金髪長身
虧:八莉様を捕まえている危険物資(工具)を持った女

と、あれ?君も危害者なの?な白髪少年(无)と八莉様。


「手を上げろおおお!!」

「え!? え!?」


「まあ… みなさん… 落ち着いて…」

そんなこんなで銃をまた向けられた與儀一行(主に年長者)だったが、そこに何故か平門が現れた。

「後は輪が始末しましょう。どうぞ安全な場所に下がって」

「え?」
「平門サン?」

とんでもなく嫌な予感がすると、虧と與儀の顔は若干青くなった。


「だっ…ダメだ!僕は帰らないっ・・・」

「!」



mae | tugi



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