「こっち見てる人がいるよ!」
「どいつだよ」
「あの人!」

「ええ?」
「えーーっと誰もこっち向いてな… え!?」

无の言う「こっちを見てる人」とは、なんとも意外なモノだった。


≪ぼ… ぼくリッスン!! ヴァントナームのイメージキャラクター!!≫

「・・・まった変なのが。」
「変な声」

リッスン。
それはイメージキャラクターというだけあって、リスによく似た可愛らしい着ぐるみだった。


「花礫くん!! 虧ちゃん!!」

≪年がみんな違うの?お友達同士?≫
「あ… いや… そういうのじゃ…「うん!お友達なったんだよね!」

「!っ・・・」

年長組は気にも止めないように、声の変のリッスンは八莉と无に話かけていた。
なりゆきで、无が八莉の捜している家について口にすると、リッスンがその家がありそうな場所を教えてくれた。



●○●

虧達は、リッスンに教えてもらった「E‐22区域」を目指して歩いていた。

「…无、その…お前さっき僕を友達と言ったが… 何をして友達になったのだ」
「?なにをして?」
「と…友達とはどんなことも認め合えばそうなれるのかと聞いているんだ!」
「・・・わかんない」
「なに!?」
「えっと、えっと…あのね、すごく あたたかい」

「・・・・」


「小さい子の友情の始まりだよ花礫くん〜虧ちゃん〜ふわふわするね〜!そういえばさ俺達は自然に仲良くなったよね?」
「ん?ああ、无とお前の事な」
「・・・。え、あれ?花礫くんなんで今自分除外したの?」
「ハ?なんでって… ダチとかそーいうの俺には関係ねえし」
「え!? 虧ちゃんは!? 虧ちゃんは俺達と友達だよね!!?」

「ん?友達・・、ビジネスパートナー?」

「ええええええ!!?酷い!!待って待って!! じゃあ花礫くん、俺の事なんて思ってるの…?」

「・・・。輪の、人?「えええええええええええ!!?」

「虧ちゃんも酷いけどっ・・花礫くんも酷い・・・!!

 なにそのメチャクチャ距離のある感じ!! えっ!? じゃあ无ちゃんは!?」
「…腐れ縁?」
「ズルイ!! そっちは温度があるよ!!」

「もしかして・・虧ちゃんと喰くんもっ」
「腐れ縁」
「俺とはビジネスパートナーなのに!? 2人ともやっぱり酷い!!!!」



mae | tugi



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テーマ「人外ファンタジー」
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