「話それたなで―― その生物の特化した細胞を取り出し研究で生み出されたものが、万能細胞『インキュナ』輪ブレスに組み込まれ、俺達の能力を具現化しているものだ。」
そこまで説明すると、朔は空にシルクハットを投げた。
「行け!」
「帽子が女の子になるなんて!スゴイなあ!」
太文が関心したようにその様子を見ていた。
「あれもアンタがブレスに組み込まれてるって言ってた細胞「インキュナ」が能力を具現化ってヤツなわけ?」
「ああそうだ。それとな花礫、輪の使う武器も同じだぞ」
そう。
輪の闘員が使用するブレスはこのインキュナの力を借り、それぞれの持つ電波信号を受信し、武器に変化する。ただ、それをコントロールするにはかなりの力がいるため、制御せずに能力を使いつづけると、本人が倒れることもある。
「ところで朔さん、」
「ん?」
「進展はありそう?」
「そうだな・・」
「虧、ちょっと飛んできてくれるか?1人ウチの子つけるから」
「よっし!行ってきます!」
「おい、」
「ん?」
「いや…なんでもない。」
「・・・、大丈夫だよ、无くんなら」
ちゃんと見てくるから〜と言いながら、虧は地を蹴った。
「ふう〜ん、」
空を飛びながら、朔のパンシーを隣につけて案内をしてもらった。
「なるほど・・、あの人がね。」
「ん?」
視線の先に、何か動くものが見えた。
「(あれは・・)」
「キイチちゃん!」
「虧さん」
「君は・・!!」
「…ムラノさん」
虧は変貌したキリという生物と、キリに捕まるムラノの前で止まった。
「ムラノさん、研案塔に身を置く、救う立場の存在の貴方が、」
「煩いッ!!」
「「!」」
mae | tugi