「もし、僕がヴァルガだったら花礫君は今死んでいたよね」
「今までは敵が本気でなかっただけ。時がくれば一瞬だよ。成り行きとか付き合いとか… そんなもので立っていられる場所じゃないから、ここはね。はっきり言って花礫君は无君の安定の為に置かれてる。後腐れない捨て駒なんじゃないのかな?汚い上に付き合ってないで、自分の場所に帰った方がいいかもね。」
「ちょっと、喰!」
「うん?虧だってそう思ってるでしょ」
「それは・・」
「それじゃあ、明日は楽しんで」
そう言うと、喰は何事もなかったかの様にトレーニングルームを後にした。
「花礫君、今喰が言ったこと」
「ああ、ホントのことだろ?」
「でも、」
「いい。分かってる。」
花礫もそう言い残し、无を連れて出て行った。
1人残された虧は、今回のことでさらに喰に対して怒りが募ったのは言うまでもなかった。
10:格差
mae | tugi