「鉄の刺鍼≪ヘルネロイド≫!!」



「薔薇の牆≪ドルンキステ≫!!ッ!」

「與儀!大丈夫!?」

技を使うごとに削られる体力。
もともと傷を負った與儀にとってはかなり辛い様で、しばらく能力態と戦っているうちに地面に膝をついた。

「だい、じょう・・ぶ!」

「無理しないでいいから!!」

與儀を庇うように立ち、虧は武器を構えた。


「虧ちゃん・・でも!」
「なら・・ちょっと無理出来る?」
「え、」

「私たちでしか出来ないやり方でこいつ等ブッ倒そう!」

「!うんっ!やろう!!」

虧の言葉に頷き、與儀は足に力を入れ立ちあがった。


「今ここに残ってる能力態を一掃するよ!」
「うん」
「與儀は私たちと能力態をひとまとめにする檻を作って、できる?」
「もちろん!」
「そしたら私は豪鉄の蜘蛛の巣≪スコマイアント≫を放つから」

「ただし・・」
「うん?」
「私から離れないでね!」
「了解!」

戦場だと言うのに何故か嬉しそうに笑った與儀を見て虧も少し微笑み、作戦を決行した!


「ハアッ!!!」

與儀が自身の武器を地面に突き刺し地から何十という薔薇のツルを出現させる。
ツルは蠢き、導き合い、すぐに空が見えなくなるほど大きな球体へと変化していった。

「うわ〜・・これだけ能力態とビッチリさせられると気持ち悪いね〜」

「虧ちゃん!笑ってる場合じゃないよ!」
「はいはい、さっきは與儀だって笑ってたくせにー」
「そ・・!それは!虧ちゃんと一緒に戦えるなんてあんまりないから・・」

「いつも喰君とかキイチちゃんとばっかり一緒に・・」とブツブツもごもご言う與儀に首を傾げながら虧は返事を返した。


「あのねー、別に喰とキイチちゃんを特別贔屓してるわけじゃないからね!?」

そう言って虧は勢いよくツルの檻の天上目掛けてモンキーレンチを投げた。



「巻き込まれないように気をつけなさいよ與儀!

豪鉄の蜘蛛の巣≪スコマイアント≫!!!!」


「ちょっと!!虧ちゃんいきなり!!?」


mae | tugi



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