「喰?」

燭の元を後にして鉢合わせしたのは喰だった。


「なんで喰がここにいんの?」
「あー、昨日能力態に襲われたって人いたでしょ」
「うん」
「その後の追跡とか色々あってね」

「機械いじりを楽しんでるだけの虧とは違って忙しいんだよ」なんて大げさにため息を交えて喰は虧に言い放った。

「あのね!私だってただメカニック楽しんでるわけじゃないんだから!昨日だって色々大変だったんだからね!!」
「ふ〜ん」

確実に信じていない喰の横に並び虧はブーたれた。


「あ・・そうだ」
「何?」

いきなり虧が声を上げたので、喰は少し目を丸くした。

「ちょっと来て!!」
「ハア?!」

おもむろに喰の腕を掴み、虧は誰もいない部屋の1つに喰を連れ込んだ。

「なに・・?」

「あのね・・そのぉ・・・・」

「ハッキリしてくれない?気持ち悪いよ?」
「気持ち悪い!? 酷過ぎる!!!」
「で、なんなわけ」
「だから!!」

言葉を放ち、虧は喰に飛び付いた。

「ウワッ!!」

「・・これを」
「いや待って!色んな意味でナイ!コレはナイ!!」
「うっさい!! ちょっと聞けって!!」
「なにホント早くして」
「これを・・!燭先生にされたの!!」

「・・ハ?」

喰の首にしがみ付きながら虧は叫んだ。

「これって?抱きつかれたってこと?」
「正確には・・首のところに・・・その、・・あー・・キスされ、た」

「・・・・」

「あ、アレ?もしもーーし!喰様―!?」

虧の言葉を聞くなり口をあんぐり開けたまま喰は動かなくなった。


「やっとか!!!!」

「やっと!?」

「あーもー燭先生いくつだよ・・いくらなんでも遅すぎ・・」
「ええー!?ソコ突っ込むの!?」
「突っ込みたくもなるよ!! もうこのまま何もなく自然消滅するのかと思ったくらいだよバカ」
「バカ!!?」


mae | tugi



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