「はい!虧ちゃん!!」
「へ?」
貳號艇に着き、仕事の報告を平門に終えた後、部屋に戻っていた虧の元に與儀が訪ねて来た。
「コレ!」
「・・・これ?」
與儀の腕の中にある大きなカラフルな包みを見て、虧は首を傾げた。
「プレゼント!」
「えっ・・と、ありがとう?」
「うん!」
與儀に向かって素直に感謝を告げてその大きな包みを受け取った。
「・・なに?」
「・・・あ、っと・・開けてみて?」
「ああ、」
期待の眼差しでコチラを見てくる與儀に勝てず、虧はその場で包みを開けた。
「ニャンぺローナ!?」
「そう!可愛いでしょ!」
「…まあ、うん」
「よかった〜」
自分の身長の半分はあるニャンぺローナのぬいぐるみを持ち上げたり、ぎゅっと抱き心地を確かめてみたりする虧を見て、満足そうに與儀は微笑んだ。
「これ!今日虧ちゃんと寄り道できた記念にって思って!」
「寄り道記念・・ってこと?」
「うん!」
「なんだかさ、凄く仲の良い友達が学校帰りにするみたいで・・すっごく嬉しかったんだ!俺!」
「・・単純、」
「ええ!?ちょっと虧ちゃん酷い!!」
「でも、」
「ん?」
「ありがとう與儀」
「――!!うんッ!!!」
「あ、そうだ與儀」
「なに?」
「ニャンぺローナのキーチェーン」
「あ!そうだ!2つもなんて、実は虧ちゃんもニャンぺローナのファンなんじゃないの!? も〜隠さなくていいのに!」
「違う!!」
パシッと軽く與儀の頭を叩き、虧は笑ってみせた。
「(これは、與儀が成長出来た時に・・銀髪の與儀と分かち合えた時に渡そう。ま、これ與儀に買ってもらっちゃったヤツだけど)」
「虧ちゃん?」
「うん、じゃあお休み!」
「うん!おやすみ!!」
そんな言葉でも與儀にとっては嬉しいモノなのだろう。
心の底から幸せそうに笑うと、與儀は虧の部屋を後にした。
酸素を分け合って生きてきた
mae | tugi