「 葬送 」
「お疲れ様、與儀」
「あっ、虧ちゃん!」
「よ!」
ヴァルガ化した人間の葬送を完了した與儀の上に、虧は飛んでいた。
「近くで私も任務だったから、寄ってみた」
「ホント!?嬉しいな〜!」
「そう?ただ来ただけだけど、」
「うんん!それでも嬉しい!だって、虧ちゃんと一緒に帰れるんだもん!」
ね!と言って嬉しそうに笑う與儀を見て、虧もなんとなく笑って見せた。
「そうだ!」
「ん?」
「この先にある町にニャンぺローナショップがあるんだよ!」
「え、そうなの・・?この前行ったとことは別なの?」
「うん!ねえ!寄り道しない?」
與儀の心から咲く笑顔に、虧は躊躇ったが頷いた。
「じゃあ、さっさと行って帰るよ!」
「うん!!」
「どう!?」
子供だらけのお店の中、與儀と虧はかなり目立っている。
ショップの中で幸せそうにしている子供達の視線を2人は一身に受けていた。
「なにか欲しい物あったら言ってね!」
「え、ああ・・・」
と、言われた虧だったが、正直欲しい物がこの中にあるのかは微妙だった。
與儀は、无や花礫、ツクモへのお土産を選んでいる。
「・・・そーだなー・・」
ここで何もいらない。というのも與儀に悪いような気がして、そっとニャンぺローナキーチェーンを手に取った。
「あ!虧ちゃんソレにするの?」
「そうしよっかな」
カゴの中に沢山のグッズを詰め込んだ與儀が虧の後ろから覗き込んだ。
「じゃあ!これ買ってくるね!」
「あ、與儀・・」
「うん?」
「もう一個、買っていいかな」
「いいよ!」
そう言って楽しそうに笑う與儀に、虧はもう1つ色違いのニャンぺローナキーチェーンを手渡した。
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