「虧ちゃん!!」
これは・・
「无、くん・・?」
そうだ、この声は无ちゃんだ・・。
私のことを初めは怖がっていたのに、それでも素直に私を受け入れてくれた可愛らしい、優しい男の子・・。
「虧!!」
これは、花礫くん・・
花礫くんも工具が大好きで、ハッキリとしたモノ言いが子供っぽいけど、とても優しい子。
「虧っ」
この温かくて、可憐な声はツクモちゃん・・
いつもみんなを優しく、力強く包んでくれる。
「虧、起きるんだ」
平門さん。
食えない人。初めて会った時からなんだか構えてしまう・・。
でも… 上司としては尊敬してる。
「虧ちゃん!!」
・・與儀?
輪にいるには心が優しすぎる、太陽みたいな存在…。
「虧!」
喰・・だ。
喰のこんな必死な声聞くの貴重だね・・。
まったく… そんなに必死にならなくてもいいじゃん?いつものクールで変態な喰様はどこにいったの・・?
気付けば、虧の目の前には温かい部屋も、ご馳走も、なにもかもが消えていた・・。
「・・・あーあ…」
スッと立ち上がり、虧は回りを見回した。
大好きな場所・・。
でも、・・私には、これから守っていきたい大切な人がいる・・。
だから、ここにはいられないの。
mae | tugi