「ここか」


ストッと平門に言われた町に降りた。

「ヴァルガって・・どこに?」

「きゃあああああッ!!!!」


調査を開始しようと思った虧だったが、その悲鳴を聞きつけ、すぐさま声のした方に走った。


「ここかッ!!」

「ああ、・・ああああッ!!!」

「(女の子!!)」

悲鳴の聞こえた家のドアを開けると、そこにはヴァルガに追い詰められた10才くらいの女の子がいた。

≪ン?・・君、食べられに来たノ?≫

「んなわけないでしょ!?」


ブレスの解除許可は下りているので、虧はすぐさまモンキーレンチを構え、女の子の前に立った。

≪ンン、ン・・?もしかして、君、輪・・・・?≫

ニヤッと口の端を上げるヴァルガを見て、少しばかり冷や汗をかいた虧だったが、服をきゅっと女の子に握られ、気合いを入れ直した。


「アンタ、喰ったの?」
≪ン〜?マダだよ〜≫
「そう」

それを確認して虧は安心した。

「(とにかく間に合ったんだ、)」


≪デモ・・輪の人ガ居るなら、君を先に食べちゃおう、カナ≫

「それは、・・無理なんじゃない!?

 欠片はやがて命(いのち)と生(な)り 1つの命(めい)を護り繋ぐ 国家防衛機関「輪」!! 不本意ながら第膩號艇闘員 虧!死にたいなら前に出なさい!!」

「おねぇ、ちゃ・・・」

「うん!大丈夫だよ、ね?」


振り向いて笑顔を向ける虧に、女の子は目に涙を浮かべながらも頷いた。



≪死ぬ気はナイよ!!!食べてヤル!!!!!!≫



グン!!と腕を伸ばし、牙をむき出しに迫ってくるヴァルガ



「きゃああああああああああああッ!!!!!」
「あッ!! 待って!!!」



mae | tugi



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