「さっ・・・さすがです!!」
「ありがとうございました!」
「はい。どういたしまして。」
暴走した機械は見事に機能を停止させた。
もちろん、破損はさせていない。
「ああ、・・それより腕ッ」
「え?ああ・・・大丈夫ですよ」
隣に心配そうに寄って来た1人に言われ、初めて虧は気が付いた。
自分の左腕は義手であり、それは普段皮膚のような加工をしているのだが、今回ばかりは先程の戦いで浴びた光線のせいで、その加工が剥がれてしまったようだ。
左腕の一部は鉄の光沢が見えてしまっている。
「本当にすみませんでしたッ!!」
「いえいえ、大丈夫ですから、今後は、機械の管理にももっと注意を払ってあげて下さい」
そう言って、各自の安全を確認してから虧は空へ飛び立った。
●○●
「イヴァ、怒ってるかな〜・・」
怒ってるよなァ・・。と肩を落としながら虧は壱組の中を歩いた。
「・・・・あ、」
そこで、たまたま虧は鏡に映る自分を見てしまった。
大丈夫だと思っていた、
しかし、そこに映る自分のドレスは無残にも所々破れていて、砂も付いていた。
しかも、折角イヴァがセットしてくれた髪も、風を切って飛んだせいか、ヘタってしまっている。
「・・・ッ」
虧は来た道を素早く戻ろうと走りだした。
「(やっぱり、場違いだ・・。この格好も!髪型も!だから…)」
しかし・・・
「虧ちゃんいた!」
「どこどこ!?」
「无くん、與儀!」
色違いの燕尾服に身を包んだ无と與儀に見事見つかってしまった。
「喰君!イヴァ姉さん!虧ちゃんここにいるよ!」
「さっすが无君、耳がいいね〜」
「はあッ!!?」
mae | tugi