「夜空を見上げ、………う〜ん、この後どうしようかな、」
卒業オ−ディションも間近に迫るなか、私は未だに歌詞をどうするかで悩んでいた。
「まだそんなこと言ってんのか、お前、」
「ん―――……、ホントは後少しで完成だったんだけど、急遽歌詞を変えたくなりまして。」
私がそう言うと、さっちゃんは大袈裟にため息をついてきた。
まあ、気持ちも分からなくはないけど………。
「なっちゃんには負担かけないよ!練習の時は今までの歌詞で歌うから!」
さっちゃんは納得してくれたのか微妙だけど、「そうか。」とだけ言って、あとは黙ってしまった。
「ね−ね−さっちゃん、」
「なんだ?」
「さっちゃんが助けが必要な時とか、いつでも飛んでくからね!」
「は?なんだそれ」
「そのまんまの意味!さっちゃんにはいっぱいお世話になってるし」
「そこは否定しないがな。」
「………さすが砂月様。」
ベットの上に座り、自分でも作曲をするさっちゃんの背中に少しだけよりかかり、私も作詞の続きに取り組んだ。
「ふんふんふ〜ん、貴方を思うと、」
「…………」
「さっちゃんを助ける〜の〜」
「うるせぇな!」
「あい、らぁ〜、びゅう〜!!」
「だから、黙っとけ!!おもてぇし!」
さっちゃんの背中にぐっと体重をかけてみる。
「おわっ!!髪の毛が〜ッ」
「知るか!」
そんな私に向き直って、さっちゃんは私の頭をこれでもか!!っ てくらいわしゃわしゃしてきた。
「さっちゃんのドS〜!!」
「はいはい、黙っとけ」
♪