「こんなのもできないのか、お前は…!!」
「やってるじゃん!!」
「結果がついてこなきゃ意味ねぇだろ!!」
「そういうけど、砂月くんだってもっと友好的になるべきじゃない!?」
「そんなもんいらねぇよ!!」
「あっそ。この手は使いたくなかったけど…、」

「…………んだよ、」


「なっちゃんっ!!」
「テメッ」

「なっちゃん…?」

「…あれ?★★★ちゃん…?僕、アレ、前がよく見えない…?」
「なっちゃん少し疲れてたみたいだったから。はい、眼鏡」
「あ!ありがとうございます!」

なっちゃんに眼鏡を渡す。
なっちゃんは、心が不安定になると、もう1つの人格"砂月"が出てきてしまう。
この通称さっちゃんは、普段優しさのかたまりみたいななっちゃんとはまるで別人で、ただの恐怖の帝王である。
そんな砂月の存在を、なっちゃんは知らない。

だからまぁ、こうやって毎回フォロ−は入れてる。


「疲れたら言ってね。」
「はい。」

さっちゃんが言ってたけど、なっちゃんがさっちゃんになっちゃうのは、なっちゃんが 疲れてる時もまた然り。らしい。
なっちゃんに負担をかけないように努力はしてるけど、がんばり屋ななっちゃんは、私の知らない所で疲れを溜め込んじゃってるみたい。


そんなとこも気付けないのかってさっちゃんにはいつも怒られてる。



「………★★★ちゃん?」

「……ん?」

「考え事ですか?なにか気になることでもありましたか?」

「ううん!なにも。それより、今日も頑張ろ!!」



「はい!!」






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