ねぇ真琴ちゃん。


真琴ちゃんは多分俺がなんでこんなに真琴ちゃんに執着してるのか分からないよね。



きっと、真琴ちゃんと2年前に早乙女学園で会ったことだって、真琴ちゃんは覚えてないかもしれないしね……。

それでも、俺は真琴ちゃんに近付きたかったんだ。今回のことは少し強引だったかもしれないけど、それでも良かったって思ってたりもする。


それにほら、真琴ちゃんは今でも俺の大好きな真琴ちゃんのままだった。
それがたまらなく嬉しかったんだよ。






真琴ちゃんやトキヤがまだ早乙女学園の生徒だった頃、俺は一度だけ早乙女学園に行ったことあった。

その時も、俺は少し弱気になってた。
まわりのアイドルがみんな輝いて見えて、自分はとってもちっぽけな存在に思えた。

そんな俺が君を見つけられたことは、奇跡だったんじゃないかな。

たまたま通りかかったSクラスの前で自然と足が止まった。


アカペラで歌を唄う真琴ちゃんを見つけたんだ。



上手い下手でいえば、まだまだっていうのが本音だったけど、真琴ちゃんの気持ちとか、すごく伝わってくる素敵な歌声だった。

そんな真琴ちゃんを見てたら見つかって、真琴ちゃんは開口一番に「トキヤなにその変な格好?」って言いながら俺を見たよね。


トキヤが俺に見間違えらることはよくある。って、トキヤがいつも迷惑そうに言ってた。
だけど、俺をトキヤに見間違えた人は初めてじゃないかな……?

それからちゃんと自己紹介をして、真琴ちゃんのことも少し知った。



そして、真琴ちゃんは俺の悩みまで聞いてくれた。まあ、勝手に俺がぼやいてたんだけど。

真琴ちゃんは真剣に俺の話を聞いてくれて、あの言葉をくれたよね。



「HAYATOさんはHAYATOさんの素敵な部分を見つけれるようにすればいいと思います。他人の芝生は良い色に見えちゃうんですよね…。でも、他人の芝生ばっかり気にしてたら、自分の芝生の色を、自分自身の大切な色を忘れちゃいます。」


それだけは絶対にダメですよ!!



そう言って笑った真琴ちゃん。

真琴ちゃんからしたら、本当にささいな一言だったのかもしれないけど、俺からしたら、物凄く心に響く一言だった。


それから真琴ちゃんがアイドルとしてデビュ−するまでは、一度も真琴ちゃんには会えなかったけど、俺の中の真琴ちゃんへの思いはどんどん大きくなっていった。




それで、少しの間だったけど一緒に暮らせて分かったこと。

真琴ちゃんは口と一緒に手が出る。
ブラックのコ−ヒ−が好き。
ホットケ−キも好きで、シロップはメ−プルシロップしか使わない。
気持ち悪いって言ってるけど、俺があげたマグカップは使ってくれる。
実はかなり他人に甘くて、自分に厳しい子。
それから、意外とうぶで可愛い。


そんな真琴ちゃんが俺は大好きです。



だから、決着つけてくるね。







「いってきます。」





★★★


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