「おいしい?」
「美味しい」
「よかった。」
美味しいと言えば、HAYATOはふにゃっと笑った。
さすがにもうねこみみはつけてないけど。
「ねぇねぇ、真琴ちゃん」
「ん−?」
「今日も髪洗ってほしいにゃ〜」
「はあ?」
HAYATOは、スプ−ンをくわえたまま小首をかしげる。
「調子のんないの!むしろ私のが洗ってほしいし!」
肩もこってるし〜。
「じゃあ!洗いっこしよ−よ!」
「ちょっと黙ってくんない?」
「真琴ちゃんの視線が冷たい…。れいとうビ−ムだにゃ………。」
「当たり前だよ。」
私がもうその話になにも言わなくなった後も、HAYATOは「洗いっこ!洗いっこ!」と連呼し続けてる。
正直かなりウザイ。
「ねぇねぇ、真琴ちゃん」
「なに、………なにねこみみつけてんの?」
「真琴ちゃん、ペットを洗うのは、飼い主のお仕事なんだにゃ」
「だから?」
「髪洗って〜!!」
「うわッ!!」
まあ、髪を誰かに洗ってもらうのは気持ちいいから、HAYATOの気持ちも分からなくもないけど…。
さっきまで向かい側にいたHAYATOは、今私に抱きついてさらにおねだりをしてくる。
「………………。」
「………お願い」
「………じゃあ、後で肩もんでね」
「!よろこんでっ!!」
ああ………。
なんか私珍しく他人に甘いな…。
自分に向かって、自分でため息をつきながら、ねこみみつけたままお風呂に向かうHAYATOを見送った。
★★★