「ただいま−」


「おかえりだにゃ〜!!」



ボスっ!!


「……んにゃ?」


にゃあにゃあといい笑顔で私を出迎えた居候の頭に、私はすかさずアレをつけた。


「うん。やっぱ合うな。」

そっちの趣味があるわけじゃないけど、やっぱりHAYATOにはねこみみが似合う。無駄に。
1人でうんうん。と納得している私に、HAYATOは未だなにをされたのか分かってないみたいで、首をかしげている。そこもなんか猫っぽい。

私よりもだいぶ背の高い猫の頭をなでてやると、当のにゃんこは気持ち良さそうに目を細めた。


「よしよし。」
「ん−…」

「あ、にゃんこ、ご飯できてる?」

「できてるにゃ〜、今日はビ−フシチュです」


「よし!じゃあ食べよう!!」

「うん!今日のも自信作なんだ〜!」



やっと靴を脱いで自室に上がる。
リビングに続く廊下を歩くと、その後をHAYATOがついてくる。本当にペットみたいだ。


「あ、ね−え真琴ちゃん?」

「なに?うわ!美味しそ−!」

「これって、もしかして……、」
「ああ、うん。ねこみみ」

「なんで………?」

「似合うと思って。」


鍋に入ったままの温かいビ−フシチュを小指につけて舐めてみる。
うん、美味しい!!


「だっていつもにゃあにゃあ言ってるし、」

なんかペットっぽいじゃん?
そう言ってもう1回ビ−フシチュを小指ですくう。


「ペットね…。」
「ん?」


「ん」

「――ちょっ?!」


なにを思ったか、HAYATOは私のビ−フシチュのついた小指をくわえた。


「……やめッ!!」
「ふ、……ん」

「はや、……と…っ!」






「―――――ッ、ヤメイ!!!」

「に゙ゃあ!!!」


「い゙だい゙…………ッ!!」


「調子にのるな!このアホ猫!!」

キッチンの隅でお腹を抑えて倒れているHAYATOを放っといて、リビングに向かう。


「ビ−フシチュ持ってきてね−」

「ゔ―――――…ん」



まったく。最近調子のりすぎ。
しつけし直そうかな……。なんて思いながら、リビングのソファに腰を下ろした。





★★★


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