「それで、自分で自分に見切りつけて、諦めたんだ。」
屋上のフェンスに手をかけながら呟く。
「それで、よかったんですか?」
「よくは、ないね。」
申し訳なさそうにこっちを見る音くんに笑顔向ける。けど、今の私の笑った顔は、ひきつってると思う。
「だから、音くんは偉いよ。」
あれから勝手に自分で結果を決めつけた。
レンのことは神宮寺って呼ぶようにした。
あの時のレンの微妙な顔は今でもよく覚えてる。
でも、レンはきっとあの瞬間からほとんどのことを悟ってくれたみたいで、レンも私のことをレディと呼ぶようになった。
「それからしばらくして、レンに彼女ができてね……。」
私の言葉が意外だったのか、音くんもトキヤくんも目を丸くした。
「今もレンは彼女と仲良くしてる。……どんな風の吹き回しかはしらないけど」
もしあの時、もし諦めなかったら、結果は変わってたのかな?とか、私が彼女になれたのかな?とか考えて………、
「っんと、………情け、ない…ッ!!」
そういえば、レンに彼女ができたって知った日の放課後、あの日の私も音くんみたいに屋上にきてたっけ……。
「せんぱい……、」
「自分で逃げといて、結局羨ましがって、……あの時の自分が不甲斐なくて…、」
だから、
「泣く資格も、ないから………。」
あの日も、本当は泣きたかった。
泣いてスッキリして、目をはらして、これが私のした結果なんだって、笑ってやりたかった。
でも、私にはそうする資格さえ…………ないよ。
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