「あ――…意外と暑いね…。」
「真琴先輩、もっと盛り上がって下さいよ!!体育祭ですよ!?」
「私そこまで体育祭好きじゃないし−…」
5月の半ば、この高校では体育祭を行う。
秋には文化祭があることと、新しいクラスの親睦を深めるためらしい。
「音くんはこ−ゆ−の好きそうだもんね−」
「大好きです!!」
グラウンドの隅にある生徒会用テントの下で、私は音くんの頭をなでた。
「真琴、次の見回りをお願いします。」
「あ−お帰りかいちょ−」
「おかえり、会長−」
「ほら、ぐだぐだしていないで立ってください」
「え―――…、」
こんな太陽光のキツイ日にテントから出るのはかなり嫌だ。
そんな私の心境なんか御構い無しに、トキヤくんは私を引っ張って無理矢理立たせ、あろうことか自分はさっきまで私の座っていたパイプイスに座った。
「も――!!」
「ほら、真琴行ってこい」
「……え、あれ?りゅ−やさん!?」
「だから、先生だろ」
「日向先生、こんにちは−!」
「お−、さっきのリレ−、格好よかったぜ一十木」
「ありがとうございます!!」
「で、まだいんのかお前」
「行くの−?」
「行ってきて下さい。」
会長に手で払われ、仕方なく私は見回りに行くことにした。
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