「廿六木」


「なんですか、りゅ−やさん」

「先生だろ。ちょっと時間いいか?」

「えっ!?ヤダ!先生と生徒の一線をとうとう!?」

「ちげえよ!お前ホント面倒くさい。」

「可愛い生徒じゃないですか!!」

「まったくな。」


廊下を歩いている私に、日向龍也先生が声をかけてきた。私のクラスの担任である。ちなみに一年の時も担任だった。
「まったくな。」って台詞が棒読みってのが気に食わないけど、顔が私好みなので許す!!


「で、話ってなんですか?」

「ああ、お前来年生徒会に入らねぇか?」

「……生徒会?なんで?」

「なんで?じゃなくて、なんでですか?だろ−が。なんだ、お前進路はしっかり決まってるって言ってただろ?」

「あっそうか。うちの学校って3年が会計やんなきゃなんだっけ、」

「そうだ。」


まったく変わった学校だなってつくづく思うけど、うちの学校の生徒会役員は、1年から書記、2年から生徒会長、3年から会計をそれぞれ1人ずつ選抜する。

色々理由はあるみたいだけど、会計が3年なのは、お金を扱う役に当たる人は学校から信頼のおける人=3年ってことになってるらしい。

生徒会長が2年なのは、学校のこともそれなりに分かっていて、時間に余裕があるのが2年だからなんだとか。1年については以下略。


ちなみに、生徒会は1年こどに総入れ替えをするから、毎年色の違う生徒会が見れる。(しかも、一度生徒会に入った人はその後生徒会には入れない。)
これが意外に面白かったりする。



だけど………、


「だからって私?選挙でんの?」


「いや、会計は基本学校側からの指名だから。」

「えっ?!私ってそんなに学校から信頼されてんの!?」

「ていうよりは、……顔が知れてる?」

「……ああ、」



確かに、りゅ−や先生の雑用で職員室よく行ったし、そのせいか色んな教科の先生の使いっぱしりになってたな…。この一年間のことを思い返し、私は遠い目をする。

「つ−か、それ以前にお前うるさいから目立つんだよ。」




そんなわけで、私は高校最後の1年を、生徒会会計として過ごすことになりました。



▼3月の終わり


( 本性を隠す17才 )


mae | tugi



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