「あ−あ、なんで私がプ−ル掃除なんかしなきゃいけないの!!」
「いいじゃないですか、楽しくて」
「そりゃあ、音くんはねぇ、」
「先輩も楽しみましょうよ!!」
「って、言われてもなぁ」
私と音くん、それに会長は、現在ドデカイプ−ルの掃除をさせられている。
「これも、毎年の恒例行事ですよ。」
「嘘っぽい…。」
私がそう言うと、音くんが苦笑いを浮かべていた。
「とにかく!頑張って終わらせちゃいましょう!!」
どこまでも前向きな奴め。
どう考えても、プ−ル掃除に前向きなのは音くんだけだ。
「まったく、真琴も一ノ瀬も一十木を見習え!!」
「りゅ−やさん!!」
「どうも。」
「こんにちは−!!」
見習えって言われても…。
「そうは言われても、私達3年はプ−ル使わないし。なんつ−無料報酬。」
両親がボランティア精神溢れるからといって、子供も素直にそうなるとは限らない。
「みんなぁ〜おはやっぷ〜!!」
「林檎先生!!」
「3人ともあとちょっと頑張ったらお昼にしましょう!林檎先生特製のおにぎり、たっくさん持ったきたんだから!」
語尾にハ−トマ−クをつけながら林檎先生が大きなお弁当箱をどかりとプ−ルサイドに置いた。
「と、いうわけだ。しっりやれよ。」
「どんなわけですか。」
りゅ−やさんの言葉に、さっきまで黙りを決め込んでいた会長が呆れたように台詞をはいた。
「頑張りましょう会長!真琴先輩!」
「「…………」」
相変わらず元気もりもりな音くんを軽く睨んだのは言うまでもない。
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