「それじゃあ行きますか!猫、準備して!」
「お−け−だにゃ〜!」
真琴さんが男の子に声をかけると、男の子は奥の部屋に消えていった。
真琴さんは近くにあるでっかい棚に手をかけた。
「それっ!!」
棚の中には、俺が見たあの「うさぎ」の着ぐるみと、モップが入っていた。
「そ−、君が見たやつ」
そう言って真琴さんはうさぎをかぶった。
「君用のは猫が今持ってくるから」
「えっ?!!」
あの目が死んでるうさぎの顔を間近に持ってこられるのは………結構キツイ。
なんというか、やっぱり不気味。
「これでいい−?」
「それしかないから、今日はそれでいいよ」
「ん。はい!お兄ちゃん!」
「………へ?」
男の子がズイッと出してきたのは、緑色と黒の布でできた猫目なうさぎの着ぐるみ(頭だけ)だった。
これを俺に………?
「アッチに行くときは、これをかぶるのが約束。わかったらさっさとかぶる!!」
真琴さんに言われるまま俺はうさぎの頭をかぶった。
………意外と外見えるんだな。
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