「で、用はこれだけ?」

「他にもあるよ。その子は新人かな?」

「珍しいね、アンタが女性以外に興味持つなんて。」

「そりゃあ持つさ。うさぎが増えるなんて君以来初めてのことだからね。」



え………、
真琴さん以来って、……真琴さんずっと1人で掃除屋やってたのか…。


「あっ、あの俺一十木って言いまっ?!」


聖川さんを見てたし驚かないと思ってたけど、俺は不覚にも神宮寺と呼ばれた人を見て驚いてしまった。


「………ん?」

「狐、ですね。」

「神宮寺は"FOX"のリ−ダ−なのよ。」

「初めまして。新人掃除屋さん。」


「初めまして。」


俺が軽く頭を下げると、神宮寺さんはヒラヒラと手をふってくれた。雰囲気は悪くない。


「で、君も相変わらずかい?」

「まあ。」

「そういえば、おちびちゃんはどうしたんだい?」

「聖川に預かってもらってる。」

「聖川ねぇ〜…、ま、おちびちゃんは俺より聖川になついてるしな。おちびちゃんも変わらず?」

「うん。」


なんだかさっきから聞いちゃいけない話を聞いてるみたいな感じ。なんていうか……、俺にはまだまだ知らないことが多すぎる。


「俺も、君の探し物を見かけたら声をかけるよ。」

「………よろしく。」

「じゃ、俺は行くよ。レディたちがおまちかねだ。」


神宮寺さんが歩き出した方を見ると、オレンジ色の仮面をつけた大勢の女の人が神宮寺さんに手をふっていた。

顔は狐の着ぐるみなのに、あそこまでモテるなんて、どんなテクニシャンなんだろ………。


mae | tugi

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