「あと1分。さっ、外に出るよ!」
真琴さんが、戸を開けて外に出る。
それに続いて男の子と俺の順番で外に出た。
真琴さんは、外に出るときはうさぎの頭をかぶるのが約束って言ってたけど、男の子はなにもつけていない。そこはかとなく疑問に感じていたけど、なにか理由があるんだろうな。と思うだけにしておいた。
どうせ真琴さんは教えてくれそうにないし。
「うわっ、暗い」
「この暗さにならないとダメなんだ。」
「はあ、」
「お兄ちゃん、すっごいから空見てて!」
男の子に言われて、パッと空を見上げる。
すると、それを合図にしたかのように空に花火が舞い上がった!!
「 Are you ready !! 」
「ようこそ、"URAHARAJUKU"へ。一十木音也くん。」
真琴さんが花火をバックに会釈をする。
花火は、多分ラフォ−レの方で上がってる。
「ええっと……?」
「私たちは今、日常生活を送っている世界の不完全な部分にいるの。」
俺があたふたしていると、真琴さんは話始めた。
「ここは、見ようと思った人しか見れない。見つけられない場所。人を裁く法律もなければ、誰かを縛る制度ものもいない。あるのは、娯楽と、縄張り争いと、殺しだけ。」
真琴さんの言葉にまた冷や汗をかいた。
「その後処理をするのが、真琴さんなんですよね……?」
「そっ」
「ね−ね−!今日はどこから行く?」
「もしかして、その子もやるの……?」
「まあね。」
「偉いでしょ−!」
mae | tugi