※庄彦♀で現代生徒会所属設定!






「なんでそんなに離れて座るかな」


笑みを浮かべてはいるもののその声は明らかに不機嫌そうでだからといってわざわざ二人分も空けて座ったというのに今さら詰めるなんてことはしたくない。

「まだ資料がまとまってない」

「僕の分は終わったよ」

「私の分が ま だ なんだ!」

「ふーん、だから?」

「は、はあ!?」

まったくこの男は意味がわからない。自分の仕事はさっさと終わらせたかと思うと私の仕事の邪魔をして楽しんでいる。明日の委員会会議で使う大切な資料だということは黒木が一番よく分かっているはずだ。

「今福さんは要領悪いからね」

「それはお前がっ…!」

否定は出来ない。現に同時刻に作業を開始したというのに私はあと3分の1も残っている。でも分かって欲しい、わざわざ席を移動したのには理由がある。最初は隣りに座って作業していたのだが開始3分で私は悲鳴をあげた。

集中していて気づかなかったのだ。いつの間にかスカートが捲られ奴の手が私の太ももに触れているということに。
殴りかかろうとしたがいとも簡単に避けられた。そのあとも頬を触られたり脇腹をつつかれたりセクハラのオンパレード。集中しようにもちょっかいをかけられいい加減腹が立ち移動したというわけだ。


「まだ終わらないの?」
「黒木がちょっかい出してこなければとっくに終わってた!」
「それはどうかな?」
「うるさい!これが終わらないと黒木も帰れないんだからな!」
「今福さんとふたりきりならいつまで残っててもかまわないけどね、僕は」


ここまで胡散臭い笑顔が出来る男なんてコイツくらいだと思う。

「今福さん」
「なに…」
「はやく帰りたい?」
「当たり前でしょ…」
「じゃあ、こっちきて」
「…は?」
「隣りにきてくれたら手伝ってあげる」
「結構」
「それは残念」


スッと椅子から立ち上がりドアの前にいくとカチッと金属音が聞こえた。

ここは生徒会室の奥にある資料室でなぜかこのドアには内鍵がある。

資料室に内鍵がある理由なんて私が知るはずがない。
けど、嫌な予感はする。



「これで邪魔は入らないね?」



資料の心配をしている場合ではない。目の前に立つ男の影が徐々に近づきひとつに重なる。バサッと紙の束が床に散らばりボールペンが転がった。


「今福さん、気分転換にイイコトしようか」




私の返事なんて聞く間もなく唇がふさがれた。軽く触れるだけの可愛いものなんかじゃない、息が出来ない。苦しい。力を振り絞って黒木の胸を押すとなんとか唇が離れた。


「生徒会長のクセにこんなことしていいと思ってるの?」


キッと睨みつけると笑いながらとんでもないことを言い放った。


「ムラッとするんだよ、今福さんを見てると」



誰だ、黒木庄左ヱ門は真面目な好青年といった奴は。勘違いにもほどがある。

泣きたい気持ちを抑え無駄とは分かっていながら抵抗をするとシュルッと自分のしていたネクタイを外した。




まさか…、



「目隠しと手首縛られるの、どっちが好き?」




逃げられるわけがない。
はぁ、とため息をつくと大きな手で頬を撫でられ衣擦れの音とともに視界が暗くなった。









――――――――――
庄彦の神様ともいえるあらたさん!!!お誕生日おめでとうございます!いつも素晴らしい庄彦ありがとうございます、たっっくさんの癒しをいただいてます。ほんと大好きです…!尊敬してます!

あらたさんにとって素敵な1年になりますように^^*

2012.12.28 Happy birthday!





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