現代パロ/高校生
授業中にメールが届き本文には一言“屋上に続く階段で待ってる”とだけかかれていた。僕をなんだと思ってるんだ。優秀な1組の生徒で授業をサボるなんてあり得ない。無理と返信をしようとしたがすぐに消した。重症だ、この僕がひとりにこんなに執着するなんて。
教師に体調が優れないと嘘を吐き、教室を出ると指定された場所に向かった。
高鳴る胸を押さえる。
「遅いよ、僕を待たせるなんていい度胸だね」
むかつく。
言い返そうとした瞬間腕を引かれ首の後ろに回された。直前までアメかガムを噛んでいたのか口内が甘い。唇に触れるだけの生暖かいキスなんかじゃない、侵される感覚に痺れつつ舌を絡ませあう。こっちは手に触れるだけでも未だに緊張するというのにこの男はおかまいなく色々なところに触れてくる。
その度心臓はうるさいし顔は熱くなるしでいつもの僕ではない。優秀な生徒、学年トップという肩書きなんてこの男には通用しない。
満足したのかようやく唇が解放されるとにやりと笑った。
「真っ赤になっちゃって可愛いー」
「う、うるさいな!授業中に呼び出してなんのつもりだよ!?」
「んー、天気がよかったから?」
「はぁっ!?」
意味がわからないという顔をすると立ち上がり屋上のドアを開いた。
「絶好のお昼寝日和だと思わない?」
開かれたドアから広がるのは雲ひとつない吸い込まれるような青空。
「たまにはいいだろ?」
悪餓鬼みたいな表情をしたかと思えばこうして無邪気な一面も見せたりする。
まったく、君には敵わないよ
鳴りやまない鼓動