社会人パロ
※彦四郎はノンケ








会社の同僚皆で親睦会という名のただの飲み会に参加するように強要された。入社してもう3年目で親睦会ってなんだよ。同じ課の後輩達をつれてのなら分かるけど、同期のみでの飲み会となると面倒だ。出来れば行きたくないのが本音。


ため息をつくとトントンっと肩をたたかれた。振り返ると同期の中で一番優秀と言われている黒木庄左ヱ門がそれはもう爽やかな笑顔で僕の後ろに立っていた。

「…何か用?」

「今日、来るだろ?」

「だってこれ強制だろ」

「ははっ、まあね」


むかつく、なんだその無駄に良い笑顔は。成績も優秀だしモテまくってるんだろうな、きっと。

「彦四郎は顔に出やすいな」

「何がだよ」

「行きたくない、って顔してる」


正解。
分かっているなんとか手引きしてくれよ。

「まあ、どうしてもっていうなら不参加でもいいよ」

「…え!」

「ほらね、すぐそうやって顔に出る」

「…………」

「まあ、僕も行かないけど」

「なんだそれ、いいのかよ主催者が行かなくて」

「今日のは団蔵だよ。それに彦四郎と二人だけで飲みたいって思ってたからちょうどいいや」

「…ハァ?なんだそれ」


そういうと携帯を取りだしどこかに電話をかけ始めた。話の内容からしておそらく団蔵だと思うけど。


「―…うん。そういうわけだから今回はパスで…、あぁ……じゃあね」

通話が終わり、携帯をスーツのポケットに仕舞うと目が合ってニコリと笑顔で返された。本当どんな動作でも様になるコイツが羨ましい。

「―というわけで。行くよ」

「え…、どこに?」

「きっき言ったろ?美味しいおでん屋さん知ってるんだけど、そこ行かない?」

「…!い、行く…」














ここまではよかった。
庄左のつれてきてくれた店のおでんは本当に美味しかったし、普通に楽しかった。知識も豊富だし話しも飽きさせないし本当完璧なやつだと改めて思った。僕が女の子だったらうっかり惚れてると思うよ。
でもそれは女の子だったらの話であって当たり前だけど僕の性別は男。今流行りの草食男子では無い。筋肉そこそこあるし、男にあるべきものもついてる。大きさは…普通…たぶん。



それで…、今なぜか僕は知らない部屋にいてベッドに寝かされている状態。最後に残っている記憶はおでん屋で庄左にすすめられた酒を飲んだ…、ところまで。

本当に自分でも情けなく思うくらい僕はアルコール類がダメだ。度数の低いチューハイ一口飲んだだけでもすぐに体が熱くなる。社会人として、飲み会という場も増えてくるだろうし慣れておかなくてはならないのだけどすぐに酔いが回ってしまい記憶もなくなる。それが嫌で今まで極力避けてきたけど(いつもは飲みながらバレないように水を飲んでアルコール薄めたりと努力はしてきた)今日は完全に油断してた。


「彦は本当にお酒弱いね」

「……こ、こは?」

「僕の家だよ。」

「…あー…ごめん、…」

「水飲む?」

「う、ん…」


あらかじめ僕が起きた時に飲ませようと思ったのか既に庄左の手にはコップが用意されていて起き上がって受け取ろうとした瞬間腕をひかれた。

唇にやわらかい感触と喉元をすぎるやけどしそうなくらいの熱い液体。それが水じゃないことは分かってる。アルコール独特の匂いと口内を侵される感触に頭がくらくらする。残された理性が働きやっとの思いで庄左の胸板を押しのけた。


「ばっ…なにす、んだ」

「何って…口移しだけど?」

「お、男だろうが…!てか、な、に飲ませた…?」

「彦があまりにも色っぽい顔してたからつい。あとまあ、ちょっと度数がきついアルコールかな。」

何いってるんだ、ちょっとどころじゃない。あんな喉がやけどしそうなやつ初めて飲んだ。当然その一瞬で完全に酔いが回り体が熱くなる。

寝たい、今すぐ横になりたい。
でもその前に僕に馬乗りになっているコイツをどうにかしないことには危険だ。まさか庄左にそっちの気があるなんて知らなかった。僕はノーマルだ、男となんて絶対に無理だ。嫌だ、やめてくれ!

そんな僕の悲痛の叫びは届かずゆっくりと押し倒された。アルコール怖い。力が入らない。

庄左が自身のネクタイを緩め、床に投げた。もう本当にかっこいいよ、僕が女の子だったら何も問題はなかった。しつこいようだけど残念ながら僕は男。泣きそうだ。それでも庄左の手は止まらなくて今度は僕のネクタイを緩めて解くとシャツのボタンが外された。
鎖骨から下に向かって舌が降りてくる。乳首をぺろりと舐められ片方の手はゆっくりとさらに下に降りていく。

カチャカチャ、とベルトの接続部の金属音がなりズボンと下着もろとも脱がされた。

危機的状況だが抵抗する力も無いし、意識がしっかりとしない。思考回路が壊れていく。



「なかなか立派なモノをお待ちで」

「…………っ」

屈辱だ。
蹴りとばしてやりたい。


「まあ、入れるのは僕のだけどね」



いつもの爽やかな良い笑顔でいい放った。これだからイケメンは嫌だ!

涙目なっているとその無駄に整った顔が近づいてきてキスをされた。しかも深くて濃いやつ。くちゅ、とわざと水音をたてるものだから質が悪い。


ついでにキスうまい





うっかり気持ちよくなってしまった自分にこれは夢だ、と言い聞かせ目を閉じた。








美味しい話には毒がある

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