▼attention!


※ノンケ×ホモが書きたくてやらかした完全私得な社会人パロ!前に書いた設定とほぼ同じですが全く違う世界です。

※庄彦設定ですが今の時点では彦庄っぽくなってます。苦手な方はお気をつけ下さい。

黒木→ノンケ 今福→ガチ




















「ねえ、もしかして今福ってゲイなの?」

背筋が寒い、…いやむしろ極寒だ。
目を細め明らかに引いているのが見てとれる。こんなはずじゃなかった。いつからか黒木という男を目で追うようになった。最初は仕事のスキルや人望が厚く、上司からも期待されていてなんでも器用にこなす姿を見て羨ましい、憧れ、というような感情だった。しかしその感情に変化が現れた。分け隔てなく誰とでも接する黒木はそりゃあモテる。仕事で重大なミスが発覚した時も誰よりも早くフォローにまわり最低限に食い止めることが出来た。そんなことがあっても黒木は当人を責めることはせず何も言わず背中をポンッとたたく。

それで女性社員は確実に落ちる。
当たり前だ。
でも黒木が社内で誰かと付き合っているような素振りは無く、飲み会の時にさりげなく聞いてみたところフリーらしい。本当かどうか怪しいが安心した自分がいた。…つまり、そういうことだ。僕は同性愛者だ。女性と付き合ってみたこともあったが何もせずに終わった。というか何かしようという気にもならなかった。キスをしてみても服を脱がせてみても僕の下半身は全く反応しなかった。失礼なことをしたと心から謝ったが、彼女は黙って僕の頬を平手打ちして去っていった。それからというもの完全に僕の恋愛対象は男性に変わった。

そして今その対象にいるのが黒木だ。だがしかし残念ながら黒木はノンケであって仮に僕の気持ちを告白したとしても顔をしかめるだろう。でも社内一のフォローマンのアイツなら事を荒立てずにやんわりとかわすかもしれない。どちにしろ良くは転ばないだろうが。

とにかくこの気持ちはとどめておくことが最善であることは理解している。黙ってこの気持ちを、欲求を押し潰していつも通り同僚として接することが良いに決まっている。

そう改めて決意した、はずだった。


「…どういうこと?今福」

「………」


絶体絶命とはまさにこのことだ。事の発端を説明しろと言われるならばこうだ。


僕と黒木で明日のプレゼンの資料をまとめていた。他の社員は帰宅してふたりきり。空きのコーヒーカップを僕が片付けていたところ目撃され今の至る。

「それ僕のカップだよね?」
「…あ、あぁ」
「しかも空」
「…………」


出来心だった。
気づいたらカップの縁に唇をつけていてハッと気づいた瞬間後ろに気配がした。もちろんこのカップの持ち主である黒木が呆気にとられた顔で立っていた。冷や汗どころでは無い、人生最大のピンチといえる。下手をしたら会社を辞めることにもなりかねない。

「ご、…めん」
さっき飲んだ珈琲の苦味だけが口内に残りカラカラに乾いている。

どうすればいい?この最悪の状況をどう切り抜ける?同僚に自分がゲイだとバレてしまった場合の最善策を今すぐに調べたい。今の時代ネットという大変便利なものがあるため経験者にアドバイス等をもらえたりするが今目の前で起こっている事態にそんなことをしている余裕は無い。出来たとしても滑稽なだけだ。



「悪いけど、同性には興味無い」





そんなこと、分かってる。





その日どう帰ったかなんて覚えていない。熱いシャワーを浴びて今日の出来事がすべて夢であって欲しいと願うが残念ながら絶望的な現実で頭が痛くなった。自分の軽率な行動により不快な思いをさせてしまった申し訳なさも加わり今後どう接していけばいいのか分からない。一切関わらない、となると仕事に支障が出るし、下手したら周りに勘づかれるかもしれない。


普段煙草を吸うことは滅多に無いが、つい先日友人が忘れていった箱から一本取りだしライターで火をつけた。

煙が目にしみるのか視界が歪んだ。


ただ君が好き、
この感情が異性に向けられたものならば世間的には一般論。だが、僕の好きは違う。認められない、公言出来ないもどかしさ。同じ人間を好きと思うことはいけないことなのだろうか。ただ相手が同性であるのがそんなに問題なのだろうか。理解されないことなど慣れたと思っていたはずなのに拒絶されることはいつまでたっても慣れない。


10月の夜空を眺めながら僕は小さく息を吐いた。






――――――――――――――




今日はとんでもない事実を知ってしまった。同僚であり、友人でもある今福がゲイだったということだ。受け止めてやるべきかもしれないが、まさか自分に対して好意を抱かれているなんて思いもせず面食らった。こういう場合なんて声をかけてやればいいのだろう、頭ではそう考えているのに実際の僕は顔をひきつらせて今福に問いただすことしか出来なかった。泣きそうな顔をしてただごめんと謝る彼を僕はどんな顔で見ていたのだろうか。

平然を装いつつ内心はかなり動揺していて心無いことを言ってしまった。その瞬間今福は口を一文字に結び顔を歪ませた。しまった、と思った瞬間には既に遅くハッと口許を手で覆ったが今福はもう一度僕に謝り、茫然としている僕の横を通りすぎテキパキと片付け一声かけて帰っていった。




それからというもの今福は最低限しか僕に接触してこなくなった。会話という会話は無く業務連絡のみ。同じ職場の人間という関係だけが僕らの繋がりで友人としての会話が一切無くなり胸のモヤモヤ感が気持ち悪かった。ちゃんと一度話し合うべきだとは分かっているがどう接すればいいのか分からない。かといって誰かに相談するわけにもいかない。こういった相手のプライバシーに関わることを他人に相談するのはあまり好ましくないと僕自身考えている。周りの人間を信用していないからという訳でなく全く関係のない人間に話し、それが巡りめぐって当人の耳に届く可能性も少なからずあるからだ。大切な友人の居場所を無くしてしまうかもしれない、それは一番に避けたい。


悩んでいても仕方ない。
ちゃんと、今福と話し合う
このギクシャクとした関係を修復出来れば、と願いを込めてメールを送った。






10月末日金曜日



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急展開すぎて僕も頭がついていかない。とりあえず現在黒木は一人暮らしの僕の部屋のソファで横になっている。とりあえず皺にならないよう上着だけハンガーにかけた。

久しぶりに黒木と他愛も無い話をして飲んだ。まさか飲みに誘われるなんて思ってもみなかったので驚いた。同時に絶望していた思いに少しは可能性が、と淡い期待を抱いたがどうやら違うようだ。落胆したが久しぶりに話せて嬉しかった。でも緊張しているのか明らかにペースが早い。いつもの余裕が感じられない。ペース早くないか?と言うと普通だけど?と顔を赤くして答えた。嘘つけ、もうほろ酔いじゃん。なんとか意識があるうちには帰らないとな、と思っている内に潰れた。黒木が。

普段こんな飲み方絶対にしないのに、

なんとかタクシーを捕まえてとりあえず僕の部屋に運んだのだが色々とまずい。

紅潮した顔と吐息に生唾を飲み込んだ。ダメだ、泥酔した相手に欲情して襲うなんて。でも体は正直で既に下半身に熱が帯びている。頭で必死に別なことを考えるが無理だ。






黒木をソファからベッドに運んだ。



「ねえ黒木、抱いてもいい?」



その声が届いたことも確認せずに僕は唇を落とした。









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年齢制限付きでつづきます


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